日本俺名山 2021-2022
この二年間に登った山を見返してみると、思ってたよりさまざまな場所へ出かけていたようだ。コロナ禍以降、あまり遠出もしていないし山にも登ってないなと感じていたが、そうでもなかったらしい。まあいずれにせよ、世間の騒ぎを横目にしつつ、行きたいところへ行くだけなのだが。
火打の山頂から眺めて、いつか行きたいと願っていた焼山。疲労と脱水でふらふらになったが、こんな晴天の日に登れたのは、山の神様の思し召しだろう。
クリヤ尾根で大苦戦し、山頂までたどり着けずにビバークした翌日、雲ひとつない青空の下の美しい稜線を歩くことができた。
長く不明瞭な道を辿って至る錫ヶ岳には、山歩きの魅力が詰まっていた。錫ヶ岳は少々マニアックだが、白根隠山までは道もはっきりしており、眺めも良くてオススメだ。
ガスに巻かれた白馬で、ここだけは奇跡的に晴れ間があった。諦めずに登ってよかった。喧騒の白馬岳とは対照的に、だれも登ってこない静かな山頂だった。
剣山、次郎笈から三嶺まで、歩いて楽しく気持ち良い稜線だった。途中の白髪避難小屋も雰囲気が良く、四国の山が大好きになった。
クラッシックルートで登る皇海山は魅力的な山だった。がっかり百名山の筆頭に挙げられているが、そんなことはない。良い山だ。
気温が上がり東洋一の雪庇は落ちてしまっていたが、それでも雪深い冬の守門岳を堪能した。青空の下の白銀の稜線は美しかった。
不帰ノ嶮から縦走してくると、ここに至って初めて目にする白馬の風景。開放的な山頂と相まって、ああ、ついに来たなと感慨に浸った。
尾瀬の奥地のさらに奥、ここまで来る人はほとんどいない。道は荒れて虫は多く、自然がむき出しであった。でもだからこそ、充実した時を過ごすことができた。
海と南アルプスと富士山を眺めながら歩く、最高に気分の上がる西伊豆の稜線だ。
燧と至仏を左右に従え、尾瀬ヶ原を見下ろす景鶴山。ずっと行きたいと思いつつタイミングが合わなかったが、ようやく登ることができた。
標高たったの328mなのに、なかなかどうして手強い山だ。舐めていたが、五連のクサリはいままでで最も怖いクサリ場だった。
七番岳から順に超えて一番岳へ至る尾根で登ったが、最短ルートよりこちらのほうがずっと良い。魅力的な緑の尾根歩きだった。
尾瀬の中ではマイナーだが、その分、静かな高層湿原を堪能できる。ワタスゲが終わりかけだったので、最盛期に再訪したい。
家から近く景色が良い丹沢の隠れた名山。山頂だけならサラッと登れるので、天気の良い休日にフラッと行くのも良い。
コロナ騒ぎもなし崩し的に沈静化しつつある昨今、山にも賑わいがもどりつつある。人のいない静かな日々が懐かしくもあるが、とはいえ正常化にはまだまだ時間がかかりそうだ。どんな未来が待っているのかわからないが、今この瞬間を大切にしていきたい。