八年前の山と八年後の山 – 茅ヶ岳 / 金ヶ岳
静かな朝だ。空気は透明で空はどこまでも青い。まだだれも登ってこないから贅沢な時間をひとりじめできる。
茅ヶ岳には何回か登っているが、来るのはひさしぶりだ。最後に登ったのはいつだったかと過去の記録を確認すると、七年ぶりの山頂 ...
針ノ木サーキット顛末記 – 蓮華岳 / 針ノ木岳
登りがキツい。稜線まではひたすら登りだ。テント装備に二日分の食料と水を詰め込んだザックはずしりと重い。
ペースが上がらず、ゆっくり一歩一歩登っていく。
針ノ木小屋に着いたのは午前10時。扇沢から5時間、まあこん ...
Brand-New Year – part3 雲仙普賢岳
平成新山を後にして、ようやく登山道らしくなってきた。稜線まで上がると景色が良い。ついつい立ち止まって振り返り、写真を撮ってしまう。
稜線をしばらく進むと普賢岳の山頂だ。
山頂では数組の登山者が思い思いに時を過ご ...
北アルプスでテント泊 – 燕岳 / 大天井岳
水と食料と酒とテント泊装備の詰まった重いザックを背負い、合戦尾根の急登を喘ぎ喘ぎ登った。
燕山荘に到着したときには、もうここでテント設営したいなという気持ちになっていた。ハイシーズン前なので、テントサイトには余裕がある。だ ...
風と光と奇跡たち – 守門岳
すごいすごいすごい、なんて美しいのだろう。青空に輝く白銀の稜線だ。
やっぱり諦めずに登ってきてよかった。
予報に反して早朝は曇天だった。気持ちも上がらず、重い足取りで登り続けた。
こんな天気で登って ...
山の上の湿原へワタスゲを見に行く – 田代山 / 帝釈山
夏の光に輝く緑の湿原、微風にゆれる純白のワタスゲ、そんな風景を求めて田代山へ向かった。
何年も前から登りたいと思っていた田代山だが、どうせ登るならワタスゲの最盛期に登りたい。しかし、ワタスゲシーズンは天候の安定しない日が多 ...
きらきらと輝いていた二日間 – 剣山 / 三嶺
空は眩しく光り、山は白く輝いている。季節外れの昨夜の雪で薄化粧した稜線は、まるで粉糖をふりかけた洋菓子のようだ。
天気予報を精査して縦走に最適な日を選んだだけのことはある。降雪だけが心配だったが、この程度なら歩くのに問題は ...
お手軽に登る関西の山〜前編 – 金剛山 / 大和葛城山
年末年始の天気は大荒れの予報であった。日本海側や東北は大雪になりそうだ。典型的な冬型の気圧配置で関東地方は晴天が続くが、せっかくなので遠出がしたい。なにせ年に一度の五連休なのだから。
ここ何年かの正月休みは九州に出かけてい ...
ゆるキャン△ in 劔沢&雷鳥沢 – その4
四日目の朝、ごそごそと寝袋から這い出した。今日が最終日だ。
室堂まで歩くだけではつまらないし、かといってあまり長時間の登山もやめておきたい。なにせ帰りの運転も残っている。
そこで奥大日岳まで行ってもどってくるこ ...
薮と徒渉と急登と – 佐武流山
思わず手を使わざるを得ない嶮しい登り。見上げれば終わりを見ることもなく、まるで天まで昇るかのよう。足元は崩れて安定しない。縦横に張った木の根は、前日の大雨に濡れて滑る。
これはちょっとキツイな。標高差1000mをこの調子で ...