即身仏を訪ねて – 酒田市 / 鶴岡市
仏の姿でこの世に留まり人々を救うため、その躰を現世に残した僧侶たちがいた。厳しい修行の果てに、自ら望んで即身仏となったのだ。信仰上は生きて祈り続けているとされる即身仏だが、科学的には僧侶のミイラである。しかし、自らの意思でミイラとなる ...
清水寺の羊羹
米子市内のスーパーマーケットをぶらぶら冷やかしていたら、ある羊羹が目に留まった。工業製品的なパッケージ商品が並ぶ中で、竹皮と単色刷りの包装紙で包まれて竹の皮紐で結ばれたその羊羹だけは歴史あるものに見えたのだ。
清水羊羹とい ...
大山参詣
山岳信仰の聖地大山の山腹には、大山寺を中心とした門前町が形成されている。
大山から下山してくると最初に現れるのは大神山神社奥宮だ。また階段かよと少々うんざりしたが、せっかくなので登って参拝した。
神門のかんぬき ...
大山へと向かう道 – 所子
集落から望む大山が猛々しい。
大山は見る方向によって大きく印象が異なる。東側からだと穏やかな山だが、西や北からだと厳つい山容だ。
大山の北に位置する所子の集落は、中世に農村として成立し、近世になって拡大した。
丹後ちりめんの里 – 与謝野町加悦
落ち着いた趣のある町並みだ。
切妻平入り二階建ての町家が街道沿いに軒を連ねている。よく見ると、磨りガラスや窓枠など一軒一軒に異なる意匠が施されていて、眺めて飽きない。立派なお屋敷もあるにはあるが、町並みの大半は風情のある町 ...
但馬の小京都出石で出石そばを食べる
穏やかな緑の山々に囲まれた長閑な城下町。時が止まったかのような風情のある町並み。但馬の小京都と称される出石には、そんなイメージを持っていた。
だが、初めて訪れた出石はめちゃめちゃ観光地だった。
日本最古の時計台 ...
大雪後の会津若松
雪の多い冬だった。
二日前に大雪の降った会津若松市内も、表通りはいちおう除雪が済んでいた。とはいえ大量の雪の持って行き場がないのか、道路の端に寄せられた雪が車線を塞ぎ、片側二車線道路が1.5車線になっている。
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奥琵琶湖、陸の孤島 – 菅浦
南北に長い琵琶湖の最北端、岸から細長く突き出した岬の先端部に菅浦の集落はある。眼前の湖と背後の険しい山々に囲まれたわずかな土地に民家が密集している。
湖に近い家屋は前面が石垣で守られ、入江には大型の防波堤が築かれている。湖 ...
琵琶湖の北の宿場町 – 木之本
平入の町家やうだつの上がる家、洋風建築に昭和の商店が入り混じって賑やかな町並みだ。
町には三軒の醤油醸造所と二軒の造り酒屋があって、歴史の古さを物語っている。
琵琶湖の北に位置する木之本は地蔵院の門前町として町 ...
湖北のおはなし
新年早々、一部界隈に衝撃が走った。あの井筒屋が駅弁事業から撤退するというのだ。
井筒屋というのは米原にて駅弁を製造販売する企業で、井筒屋の「湖北のおはなし」は駅弁界を代表する逸品である。創業は安政元年、元々は長浜船着場の旅 ...