八ヶ岳

やっと会えた。ずっと会いたかった花に。最盛期にはやや遅く、終わりかけではあったけど、なんとか待っていてくれた。

分厚くて艶のある硬質の葉が砂礫の地面に低く生え、その中心からまっすぐ伸びた花茎に青紫色の細長い花が無数に咲く。 ...

八ヶ岳

「さあ、行きましょう」

S子先輩はそう言って立ち上がると、ザックを背負った。

マジっすか!?

わたくしは心の中でそう叫んだ。D子先生も言葉には出さなかったが、そう叫んだに違いない。

星空 ...

八ヶ岳

「雪ないっすね…」

「ほんとないね…」

そんな会話があいさつ代わりになる。雪ない雪ないとさんざん言われてきた今年の冬だが、こうして毎年登る山に来ると、そのことがより強く実感される。なにせ、いつもなら太ももあたり ...

八ヶ岳日本百名山, 山梨百名山

もうすっかり暖かくなり、山の雪も溶けてしまった三月のある日。

高い山には再びまとまった雪が降り、白く冠雪しているという情報を得て、それでは行かなくちゃと赤岳へ向かいました。

おそらく今シーズン最後の雪山らしい雪 ...

八ヶ岳

雲の上に出た!

天気が悪く、登山口からずっと重たいガスの中だった。周囲が灰色だとモチベーションも上がらない。長い急登を、やる気なくだらだらと惰性で登ってきた。

前三ツ頭で樹林帯を抜けると、頭の上には青い空が広が ...

八ヶ岳

八ヶ岳には毎年何回かは訪れ、だいたいのとこには登っている。が、しかし、いまだ阿弥陀岳の山頂には立っていない。厳冬期に目指して天候悪化で引き返したことはあるが、それ以外には明確に目的地としたことがない。縦走路から外れているのでわざわざ行 ...

八ヶ岳

崩れる雪と格闘し、三時間かけて急登を登り切ると、真っ白な稜線に出た。雲ひとつない空は深い青。南アルプスも富士山も鮮明だ。空気は透明で、周囲の山々はすぐそこにあり、手を伸ばせば届くかのよう。

三ツ頭まで登ると、八ヶ岳の主要な ...

八ヶ岳日本百名山, 山梨百名山

今年もまたここへ来た。毎年、冬の初めに訪れるこの場所へ。

ここから雪の着いた赤岳を眺めると、いよいよ冬だなって気分になる。

天気は最高。空は青く、風は穏やかだ。

阿弥陀や中岳も美しい。

...

八ヶ岳日本二百名山

「きれ~!!きれ~〜!!!」

次々と車窓を流れていく紅葉した木々に、助手席のK女史が声を上げます。

「もうこれでじゅうぶん。もう登らなくてもいい」

いやいや、まだ登山口にも着いてませんよ…。 ...

八ヶ岳

さて、どうしようか。

目の前の岩稜を登り切れば山頂だ。フリーでも登れるだろうが、もしも途中で進退窮すると、撤退はやっかいなことになるだろう。
岩稜を巻いても稜線に出るはずだが、ここまで登ってきた人たちはみな岩稜へ行 ...