八ヶ岳日本百名山, 山梨百名山

早朝の美濃戸口には雨が降っていた。あまりもに寒くて車から降りられずにいると、雨はいつしか雪へと変わった。今日の予定は赤岳鉱泉までだから急ぐ必要もないが、いつまでも待機してるわけにもいかない。意を決して出発した。

のんびり歩 ...

八ヶ岳

漆黒の闇が溶け出して、山と空の境界線が際立つ。

夜が終わり朝が始まるこの刻が、最も美しい山の時間だ。

この時間帯に森林限界を超えた稜線を歩くためにここに来た。

天空に包まれて宇宙を感じる。

南アルプス, 八ヶ岳日本三百名山

強風に煽られ、ザックごと体を持っていかれそうになる。岩陰に体を潜めて風をやり過ごした。飛ばされたら落ちる。慎重に行かねば。

樹林帯ですでに風は強かったので覚悟していたが、森林限界を超えてからは、遮るものなく強風に曝されてい ...

八ヶ岳

やっと会えた。ずっと会いたかった花に。最盛期にはやや遅く、終わりかけではあったけど、なんとか待っていてくれた。

分厚くて艶のある硬質の葉が砂礫の地面に低く生え、その中心からまっすぐ伸びた花茎に青紫色の細長い花が無数に咲く。 ...

八ヶ岳

「さあ、行きましょう」

S子先輩はそう言って立ち上がると、ザックを背負った。

マジっすか!?

わたくしは心の中でそう叫んだ。D子先生も言葉には出さなかったが、そう叫んだに違いない。

星空 ...

八ヶ岳

「雪ないっすね…」

「ほんとないね…」

そんな会話があいさつ代わりになる。雪ない雪ないとさんざん言われてきた今年の冬だが、こうして毎年登る山に来ると、そのことがより強く実感される。なにせ、いつもなら太ももあたり ...

八ヶ岳日本百名山, 山梨百名山

もうすっかり暖かくなり、山の雪も溶けてしまった三月のある日。

高い山には再びまとまった雪が降り、白く冠雪しているという情報を得て、それでは行かなくちゃと赤岳へ向かいました。

おそらく今シーズン最後の雪山らしい雪 ...

八ヶ岳

雲の上に出た!

天気が悪く、登山口からずっと重たいガスの中だった。周囲が灰色だとモチベーションも上がらない。長い急登を、やる気なくだらだらと惰性で登ってきた。

前三ツ頭で樹林帯を抜けると、頭の上には青い空が広が ...

八ヶ岳

八ヶ岳には毎年何回かは訪れ、だいたいのとこには登っている。が、しかし、いまだ阿弥陀岳の山頂には立っていない。厳冬期に目指して天候悪化で引き返したことはあるが、それ以外には明確に目的地としたことがない。縦走路から外れているのでわざわざ行 ...

八ヶ岳

崩れる雪と格闘し、三時間かけて急登を登り切ると、真っ白な稜線に出た。雲ひとつない空は深い青。南アルプスも富士山も鮮明だ。空気は透明で、周囲の山々はすぐそこにあり、手を伸ばせば届くかのよう。

三ツ頭まで登ると、八ヶ岳の主要な ...