父不見山
父不見山と書いて「ててみえずやま」と読む。漢文訓読調の無理やり感のある山名だ。
こんな名前の山だから、きっと謂れがあるのだろうと思っていたら、ご丁寧にも山頂に案内板が立てられていた。
そこには、平将門の遺児が、 ...
岩稜の景色 – 天狗岩 / シラケ山 / マル / 烏帽子岳
今週も群馬行きだ。いつもの西上州だ。さすがに少々飽きてきた。いつもと代わり映えのしない樹林帯を登っていく。
今日最初のピークは天狗岩だ。ピークは木々に囲まれた小さなスペースだが、少し先へ行くと展望が開ける。西上州の山並みの ...
夜明けの稜線 – 西岳 / 編笠山 / 権現岳
漆黒の闇が溶け出して、山と空の境界線が際立つ。
夜が終わり朝が始まるこの刻が、最も美しい山の時間だ。
この時間帯に森林限界を超えた稜線を歩くためにここに来た。
天空に包まれて宇宙を感じる。
ぐんまの山歩き – 雨乞山 / 小野子山 / 中ノ岳 / 十二ヶ岳
長野、山梨に次ぐ山岳県の群馬だが、群馬の山は里に近い。
日本アルプスのように容易には立ち入り難い雄大な山脈ではなく、山間には道があり集落の点在する親しみのある山並みだ。そんな山々が幾重にも連なっている。谷筋の街道から分岐し ...
僕らの選択 – 巻機山
ひとりで山を歩いていると時々思う、なぜ今この山を歩いているのだろうかと。
この山を歩くか、あの山を歩くかは選ばなければならない。二つの山を同時に歩くことはできない。人生は選択の連続だ。これまでに下した無数の選択の果てに今が ...
楽しい岩の楽しい山 – 二子山
楽しい。これは楽しい山だ。
股峠から西岳へ登る道は一般コースと上級者コースに分かれていて、一般コースが巻道、上級者コースが岩場の直登になる。上級者コースは、パッと見は垂直な岩峰だし、クサリはすべて取り払われているとの警告も ...
薮と徒渉と急登と – 佐武流山
思わず手を使わざるを得ない嶮しい登り。見上げれば終わりを見ることもなく、まるで天まで昇るかのよう。足元は崩れて安定しない。縦横に張った木の根は、前日の大雨に濡れて滑る。
これはちょっとキツイな。標高差1000mをこの調子で ...
雨降る尾根と雨の谷戸 – 天竺山 / 唐松山 / 横沢入
急激に空模様が悪くなってきた。
朝起きたら雨もやんで太陽も出ていたので、ちょっとだけでもいいから歩きに行こうと武蔵五日市まで来た。駅から天竺山に登り、さらに先へと進んで尾根道を歩いているとき、ふと気づくと早朝の青空は、いま ...
ある休日の奥多摩山行 – 砥山 / 倉掛山
檜原都民の森に車を停めた。ほんとは奥多摩周遊道路で上まで行くつもりだったが、給油を忘れたので仕方なくだ。ガソリンスタンドのある町までの30kmをもどるには、すでにギリギリの残量である。
車を停めたはいいが、どこへ登ろうか。 ...
谷川主脈 in the rain – part2
ただ足元だけを見て黙々と歩き、登ったり下ったりをくり返して、いくつものピークを超えた。万太郎山に着いたのは午後1時30分、予定よりだいぶ遅れている。これでは平標までは行けそうにない。いや、行こうと思えば行けるが、まともな時間には到着で ...