2021年の南アルプス 〜 林道&尾根編

夜が明ける前に沼平のゲートを通過した。登山口まで18kmの林道歩きだ。4時間半くらいかかるだろう。

歩き始めてしばらくすると、自転車に抜かされた。その後も次々と自転車が走ってくる。ほとんどの登山者は、バスの代わりに自転車で登山口へ向かっているようだ。椹島近辺を拠点にして周回するなら自転車移動は非常に有効だが、茶臼岳まで縦走するのではほとんど意味がない。なので今回は自転車は使わず、徒歩で移動する。

快調に林道を歩いて、赤石岳東尾根登山口に到着した。

登山口にはずらずらっと30台ほどの自転車がデポしてあった。椹島から登って、ここへ降りてくる予定の人が多いようだ。

登り始めてすぐに体が重くなった。暑さと寝不足のせいだ。暑さと寝不足には極端に弱く、この二つが合わさると、とたんに登れなくなってしまう。

南アルプスらしい深い樹林帯をよろよろと登っていく。林道では快調で予定を巻いて進んだのに、尾根に取り付いて傾斜が付いたら、なかなか進まない。

少し登っては休み、少し登ってはまた休み、それでももう堪らず、登山道の傍にしゃがんで寝ることにした。横になると起きれないので、しゃがみ寝にしておく。気づいたら夜だったなんてことになったらシャレにならない。

少し登っては寝て、また少し登っては寝ての繰り返しで赤石小屋に到着したのは、夕方4時を過ぎていた。

つづく