百名山の憂鬱 – 那須岳
なんとなくぶらっと那須まで来た。
なんとなくぶらっと適当に来たので、あまり早い時間の到着ではない。なので普段着のみなさんに紛れてロープウェイで上がる。
天気はどんより曇り空、紅葉にもまだちょっと早いにもかかわら ...
日本のアリゾナ – 鹿岳
見えた。あれだ。あれが鹿岳だ。かっこいいじゃないか。
鹿岳…名前だけは知っていたが、有名山とは違って写真で見たこともなかった。初めて見るその姿は、なんだかアリゾナ州あたりの岩峰のようでもあった。
西上州にはかっ ...
湯立人鉱泉
梓川の岸辺の畑の中にひっそり佇む一軒家。
なんの変哲もない普通の民家で、知らなければここが風呂屋だとは思わないでしょう。
なんの看板も出ておらず、目印は玄関先に掲げられた小さな「営業中」の札のみです。
雨と肉と低山 – 九鬼山 / 御前山
「ドラえもんと同じだから」
何度もそう聞かされてたので覚えてましたとも、M子先生の誕生日を。
で、今年はドラえもん(とM子先生)の誕生日が土曜日だったので、いっしょに山へ行くことになってたのですが、あいにくその ...
山蛭戦記 2016 – 高ドッキョウ / 貫ヶ岳
足首にチクっと刺す軽い刺激。
針の先で軽く触れたかのような、気づくか気づかないか程度の微かな痛みだ。しかし、この感覚には覚えがある。過敏にもなっている。
まさか…。きたか…。
登山靴に指を突っ込み確 ...
北アルプスの四日間 その5
涸沢の夜は賑やかだ。
カラフルなテントの群れに灯りがともり、艶やかに煌めいている。そこかしこでいつまでも、楽しげなざわめきが聞こえている。無数の話し声が集まって、ざわざわという音の塊になり、カールを優しく包んでいる。
北アルプスの四日間 その4
喧騒の奥穂高岳山頂を離れて、西穂への縦走路をほんの少しだけ歩いた。さすがにちょっとあのカオスな山頂には居続けられなかったので、静かなところでゆっくりと、この三日間を振り返ろうと思ったのだ。
わずか数十メートル山頂を離れただ ...
北アルプスの四日間 その3
涸沢岳はガスに巻かれていた。展望はないが、暑くないのは助かる。景色は明日の楽しみとしよう。
ひさしぶりに腰を下ろして休憩した。北穂高小屋でも南岳小屋でも立ったままだったから、座ったのは朝ごはんを食べた大喰岳以来だ。ここまで ...
北アルプスの四日間 その2
day 2
槍の穂先の向こうから、新しい太陽が登ってきた。
朝が来た。世界が光で満ち溢れていく。
昨日は喘ぎながら登った槍の肩までの登りを、今日はほんの僅かではあるが楽に登ることができた。ひと晩寝て疲れ ...
北アルプスの四日間
夏休みは北アルプスへ。春からずっとそう考えていた。
これまではほとんど日帰りでしか山へ行けなかったので、なかなか北アルプスに登ることができなかった。それが、まあ、望んだわけではないが、休日はわりと自由に好きなだけ山へ行って ...