霧の霧ヶ峰
真っ白だ。数メートル先しか見えない。夜が明けて朝になったが、太陽の暖かさは感じられない。
夜半過ぎに駐車場へ着いたときは、激しい風と雨で車が揺れるほどだった。朝になり、だいぶマシになったが、回復したとは言いがたい天気だ。
雨降る南アルプス 3 – 蝙蝠岳 / 塩見岳
急げ。早くしろ。
濡れたテントを乱雑に畳んでザックに突っ込んだ。湿ったシュラフやその他のあれこれもだ。
急げ急げ。少しでも早く山頂へ近づこう。
四日目の朝は、森林限界を超えた稜線で迎えた。東の空が薄 ...
雨降る南アルプス – 小河内岳 / 荒川岳 / 悪沢岳
歩き始めは霧のような雨だったのが、だんだんと雨足が強くなり、いつしか本降りとなっていた。強い風に吹かれた雨粒が、容赦無く顔に打ち付ける。気温もずいぶん低くなった。猛暑の夏とはいえ、森林限界を超えた3000mの稜線である。雨に濡れ、風に ...
静寂と孤独の尾根 – 仙丈ヶ岳 / 仙塩尾根
一歩踏み出すと、さっと空気が変わった。
晴天の夏の日、人気の山はどこも人でいっぱいだ。仙流荘のバス乗り場は早朝から長蛇の列であった。北沢峠から仙丈ヶ岳の山頂までは、いつでも登山者が視界に入っていた。
山頂には次 ...
いざ、白山へ! – 後編
二日目の朝。天気は良好。
今日は、室堂から御前峰、大汝峰へとメインの稜線を歩く予定だ。
まずは室堂までだが、通過しにくい雪渓があるらしく、それがどこだかよくわからなかったので、稜線ルートを取ることにした。稜線な ...
いざ、白山へ! – 前編
三時間ほど登り、南竜ヶ馬場のテント場に着いた。広々として眺めが良い。オニユリ、キンポウゲ、チングルマ、花もいっぱい咲いている。気持ちのいい、まさに天国のような場所だ。それに幕営料もとても良心的である。
天国のテント場はそこ ...
いざ、夏山へ!
三連休、天気もいい、どこへ行こうか夢は膨らむ。
木曜日の夜にパッキングをすませ、金曜日はザックを車に積んで出社した。仕事が終わったら、そのまま山へ行くのだ。
会社のパソコンで南アルプスの地図を表示して、どこを登 ...
尾瀬の雨
昨夜の雨で濡れた蛇紋岩に足を滑らす。荷物は重く、昨日の疲れがまったく取れてないため足取りは重い。それに寝不足だ。
昨夜はよく眠れなかった。激しい雨がひと晩ずっと続き、テントを激しく打ち付けた。いまにもテントが潰れるんじゃな ...
ある晴れた日の北アルプスにて – 常念岳 / 横通岳 / 東天井岳
すごい疲れた。なんでだろう。一昨年、同じルートを登った時は、もっと快調だった。おそらくシャリバテしたからだろう。体重増加のせいかもしれない。まさか歳のせいだなんて思いたくもない。
一ノ沢から常念乗越まで登っただけでバテバテ ...
冬の赤岳 again
もうすっかり暖かくなり、山の雪も溶けてしまった三月のある日。
高い山には再びまとまった雪が降り、白く冠雪しているという情報を得て、それでは行かなくちゃと赤岳へ向かいました。
おそらく今シーズン最後の雪山らしい雪 ...