九州の山日本三百名山

ゆっくり起きたら、日が昇っていた。まあ、今日はそれほど長距離ではない。いそいそと準備して出発だ。

朝日を浴びた傾山が黄金色に輝いている。あそこが最後のピークになる。

疲れが溜まっているのか、ペースが上がらない。 ...

九州の山

祖母山の山頂で初日の出を拝み、新しい年を祝ったら、そろそろ出発だ。先は長い。あまりゆっくりしてもいられない。

ひと晩を共にした方々に見送られて、縦走路へと踏み出した。

山頂に居合わせた30人以上のなかで、縦走路 ...

九州の山日本百名山

ガスっているが、山頂まで行っておこう。

尾平登山口から九合目小屋まで登り、薪ストーブの暖かさに腰が重くなりかけたが、意を決して外へ出た。

ちょうど一年前、2019年1月1日の早朝に、電波も入らない山奥の登山口で ...

南アルプス, 八ヶ岳日本三百名山

強風に煽られ、ザックごと体を持っていかれそうになる。岩陰に体を潜めて風をやり過ごした。飛ばされたら落ちる。慎重に行かねば。

樹林帯ですでに風は強かったので覚悟していたが、森林限界を超えてからは、遮るものなく強風に曝されてい ...

奥多摩・奥武蔵

集落を抜けて舗装路を歩いていく。

もう終わってるだろうと予想してた冬桜は、わずかの花を残していた。

大雨を降らせた台風19号の影響で、集落から先はどの道も車両通行止めになっていた。

崩壊した舗装路を ...

南アルプス

鳳凰三山には何度も登っているし、夜叉神峠にも南御室小屋にも立ち寄ったことはあるが、この間の区間は歩いたことがない。正確に記すと、夜叉神峠と苺平の間だ。南アルプスフロントトレイルの中で、まだ繋がっていない三区間のひとつである。ここを繋げ ...

深南部

空は青空、風は優しく、登山道は快適だ。それなのに気分はふさぎ、心はざわついている。

出発前の金曜日に、とても腹立たしく悔しく許しがたい出来事があった。その気持ちを引きずったまま山を登っている。

本来なら、山を愛 ...

深南部

開始早々から、ふざけた急登だった。林道のわきからいきなり急斜面の直登が始まり、どれだけ登っても終わりがない。ときおり傾斜が緩やかになってホッとするも、すぐにまた急な登りとなってしまう。

矢筈尾根は厳しい登りだった。登るには ...

東北の山日本百名山

ふぅ、さすがに飽きてきた。

一切経山を下り、五色沼と家形山を越えて縦走路に入ると、展望はまったく無くなった。日の光は背の高い木々に遮られて薄暗い。雲の切れ間に太陽が現れても、縦走路の地面までは届かない。土は湿っぽく、ところ ...

東北の山日本三百名山

風が強い。油断してると体を持っていかれそうだ。赤茶けた砂と岩の山頂には、生命の気配がない。眼下の五色沼は、厚い灰色の雲に覆われた空を映している。

この五色沼、と言うよりも魔女の瞳という通称のほうが知られているだろうか、ここ ...