東京の山村 – 峰
奥多摩湖沿いの道路とは峰谷橋で別れて沢沿いを進む。細い道はくねくねと曲がりながら緩やかに登り、山の懐へと入っていく。「雲風呂」「雨降り」「下り」という奇妙な名前の集落を過ぎた先が「峰谷」だ。バスはここまでしか来ない。もっともそのバスも ...
春の雪
ぽかぽか陽気の春うららな土曜日から一転して、日曜は朝から雪が降り出した。まったく春が来たり冬に戻ったり忙しい。
降り始めた雪は、土と芝生を白く染め、やがてアスファルトにも降り積もっていった。しばらく目を離していたら、窓から ...
Tokyo Lockdown
満開の桜が風に吹かれて散り始めた三月最後の週末。陽気も良く、絶好の行楽日和を迎えたが、街は閑散としていた。
都知事による外出自粛要請を受けて、都立の施設だけでなく、民間でもこの週末は休業するところがちらほらあった。 ...
愛宕山へとつづく道 – 嵯峨鳥居本
都の西北、平野が終わり山の始まる山裾に鳥居本はある。
古来より神と崇められた愛宕山、その山頂に祀られる愛宕神社は全国1000社の愛宕神社の総本山だ。
愛宕山へと向かう道に沿って、鳥居本の集落は形成されている。
中世の社家町 – 上賀茂
京都市街の北のはずれ、中心部と比べてだいぶ川幅のせまくなった賀茂川を渡ると上賀茂神社だ。
賀茂氏の一族は、平安京に都が遷されるずっと以前からこの地に住んでいて、上賀茂神社もその頃から祀られていた。
神社の南東は ...
酒蔵と掘割 – 伏見
秀吉の伏見城建設より興った伏見の町は、戦乱や維新を経て商都へ、そして酒処へと発展していく。
月桂冠や黄桜といった全国的な酒造メーカーが、ここ伏見に醸造所を構えている。酒蔵は大規模で、酒造メーカー直営のレストランや博物館、イ ...
歓楽街と学問の神様 – 北野
北野は京の外れの歓楽街だ。その歴史は祇園よりずっと古い。豊富秀吉の大茶会が催されたのも北野である。
歴史は古いが規模は大きくない。その分、町並みも落ち着いている。歩く人も多くはない。
北野といえば北野天満宮も全 ...
機織の町 – 西陣
西陣は広い。東西南北2kmの範囲に町が広がっている。路地は狭く、軽自動車でも通過困難な箇所も多い。
古い町家もあれば新しめの住宅もあり、小さなビルもある。雑然としているが、全体的にまとまった雰囲気でもある。
西 ...
京都最大の歓楽街 – 祇園
妖しげなネオンのお店が密集する地区にあって、この一画だけは異なる風が吹いている。
祇園新橋には、江戸時代に建てられたお茶屋が軒を連ねている。弁柄格子と簾の町並みは、祇園と聞いて思い浮かぶイメージそのものだ。
歩 ...
清水へつづく道 – 産寧坂
石畳の坂道を登っていく。
メインの参道よりさらに北の、二年坂、産寧坂とつづく参道は道幅も狭く、町家が軒を連ねている。
観光スポットの集中している東山でも、もっとも訪れる人の多い地区だ。いつもなら観光客であふれて ...