過ぎし日の栄華も今は昔 – 稲荷山
現在の稲荷山は、千曲川流域の寂れた小さな町であるが、江戸時代には善光寺西街道で最も大きな宿場町であり、明治期には絹織物の取り扱いで北信最大の商都であったという。
古くから栄えた町にはありがちだが、鉄道を拒否したために駅が町 ...
木曽路の中心地 – 木曽福島
木曽福島は木曽路で最も大きな町である。交通の要衝であり行政の中心であり、唯一の都会と言ってもいい。
家々は、山間の狭い土地に密集して建てられている。木曽川沿いの建物は川岸へせり出して建てられていて、通りから見ると一階、二階 ...
日本大正村
岐阜県恵那市明智町の日本大正村は、町並み全域を博物館としたオープンミュージアムである。
同じく岐阜県の犬山市にある明治村は、建築物を敷地内に移設して入場料を徴収するが、それとは全く異なり自由に町を歩くことができる。当然だが ...
本願寺
京都市内を散策して疲れたら、休息を兼ねて本願寺へ行く。
京都駅前の一等地に広い敷地を有する本願寺には、通りの喧騒から隔絶された静けさがある。
本願寺で休むのは、その静寂さのためだけではなく、なにより無料だからで ...
門前町の栄枯盛衰 – 坂本
比叡山の東の麓、山と湖の間に坂本の町はある。延暦寺の門前町として賑わい、最盛期の室町時代は人口1万人以上の大都市であった。
下山して最初の町並み、つまり町の最も山側には、立派な石垣を持った家々が並ぶ。これは元々は比叡山での ...
京の都の奥座敷 – 鞍馬
鞍馬というと、山深い地というイメージだ。実際それは、京都の市街地から北へ10kmの山間部にある。山と山に挟まれ、谷沿いを流れる川と並んで走る狭い街道沿いに集落はある。
鞍馬山は山岳信仰の地であり、山伏による密教も盛んであっ ...
東京散歩
雲ひとつない青空。空気は清々しく陽射しは暖かい。
こんな日に山には行かず、街を歩いている。関東周辺なら天気が良いのはわかっていたが、なんとなく山に登る気分ではなかったのだ。
ここ最近のやる気の無さが昂じて、もは ...
日本で海岸線から一番遠い地点へ
「海から最も遠い地点はどこですか?」
地図と測量の科学館の夏休み相談会で出たこの質問に、国土地理院の専門家は即答できず、持ち帰って後日回答することになった。「日本で海から一番遠い地点」そう聞いて思い浮かんだのは、北海道の荒 ...
ブラジルタウン大泉町
群馬県大泉町、ここでは人口4万人のうち8千人が外国人である。実に、5人に1人が外国人ということになる。
居住外国人の約6割がブラジル人だ。ペルー人、ボリビア人も合わせて南米系で7割を占める。バブル時代に工場労働者として来日 ...
板鼻宿のタルタルカツ丼
板鼻宿は日本橋から数えて14番目の中山道の宿場町である。
旧道沿いに宿場の面影を僅かに残すばかりの、ひっそりと静まり返った小さな町だが、往時は上州最大規模の宿場だった。今や大都会の高崎宿よりも大きな町だったのだ。