九州は今日も雨だった – 由布岳
空が暗い。
すでに日の出の時刻は過ぎているが、空は黒に近い濃い灰色だ。雨もポツポツ落ちている。由布岳のほうを見上げたが、山頂は厚い雲に覆われていた。
あ〜あ。九州二日目も天気はさえないようだ。
登山 ...
雨の大崩山
朝から雨が降っていた。いや、昨夜からずっと降り続いている。
仕事を終えてスーツのまま会社を出発し、27時間かけて宮崎県まで来たというのに。
もう一度、空を見上げる。登れないような豪雨ではないが、一日歩けば確実にぐし ...
ゴザイショ
祖母の口から何度となく聞かされたその言葉には不思議な響きがあった。
「昨日はゴザイショへ行ってきた」「来週ゴザイショへ行く」そう話す祖母は、満足げで嬉しそうだった。
ゴザイショというのが御在所岳のことであり、日 ...
秋の北八ヶ岳
「きれ~!!きれ~〜!!!」
次々と車窓を流れていく紅葉した木々に、助手席のM子先生が声を上げます。
「もうこれでじゅうぶん。もう登らなくてもいい」
いやいや、まだ登山口にも着いてませんよ…。
雲の海に光る峰 – 有明山
重く立ち込めた灰色の雲がじわじわと薄くなり、やがて青空が透けて見えた。
ん? 突き抜けるかな?
ここまでずいぶん登ってきた。山頂までの標高差はもういくらもない。できることなら雲の上に広がる青空の下の頂に立ちたい ...
聖地の空気 – 七面山
なんみょーほーれんげーきょーー
ドン!ドドン!ドドドドン!
なんみょーほーれんげーきょーー
ドン!ドドン!ドドドドン!
なんみょーほーれんげーきょーー
早朝の澄んだ青空の下、お題目が響き渡る ...
登山は想像力、そして行動力 – 鋸岳
ついにここまで来た。
中ノ川乗越の向こうに見えるのが鋸岳第二高点だ。
急なガレ沢が岩山の上へと続いている。
あれ、登れるのか?
ここまでもそれほど楽ではなかったが、ここから先はもっと楽ではな ...
陽の光この身に浴びて輝く日 疑う余地もないほどの愛 – 大天井岳
なんだか空が明るくなってきた。
ガスに巻かれて真っ白だったので、テントを張って早々に、展望は諦めて夕飯のしたくをしてたのだが、慌てて見晴らしのいい場所へ行ってみる。
薄いピンクに色づいた空の下、槍から穂高へと続 ...
この道をどこまで行けば辿り着くのか 青空にひと筋ヒコーキ雲 – 御座山
整備されて歩きやすい登山道を登っていく。
周囲は木々が茂っていて、展望はほとんどない。
なんだかもやもやした気分なのは、登山道が少々退屈なせいだけではない。
もやもや…ちょっと違うな。
なんとい ...
登山のルール – 妙義山
クサリを握る手に力が入る。
いつもはふざけてなめた山登りばかりしているが、さすがにここは慎重に行かないと。
両側が切れ落ちた岩稜を進む。万が一にも足を滑らせたら、あとは握ってるクサリが全てだ。手を離してしまえば ...