金沢重伝建散策 第二日目 – 東山ひがし / 卯辰山麓 / 主計町

金沢散策二日目の朝、まずは東山ひがし地区へ向かった。ここが最も混雑するだろうから、朝の早い時間に訪れておきたい。

東茶屋街の町並みは、金沢を紹介する写真などで必ず目にする景観だ。山を背景にした茶屋街の町並みは、確かに整って美しい。

早朝は道ゆく人もまばらだったが、まもなく観光バスで乗り付けた団体客であふれだしたので退散した。

東茶屋街の背後が卯辰山麓の寺町になる。小高い山の山麓に寺院が点在している。

金沢市は金沢城を中心として、北東と南西の周縁に寺町と茶屋街をセットで配置している。南西は昨日訪れた西茶屋街と寺町台。東茶屋街と卯辰山麓は北東にある。

東茶屋街の喧騒も卯辰山麓までは届かない。静かだ。登ったり下ったりして隈なく歩いた。

東茶屋街から浅野川を挟んで対角にあるのが主計町茶屋街。

川沿いに並ぶ茶屋街は絵になる景色だ。

裏通りにも木造の町屋が軒を連ねる。

十数年前に比べて外国語の表記が増えたなと感じた。英語と中国語でドリンクメニューを張り出してる店もあった。

東茶屋街と卯辰山麓、それに主計町は隣接してるので、ひとまとまりでいいのではとも思うが、それぞれが別個に伝建地区登録されている。

市内には伝建地区以外にも古い町並みが残り、保存活動も行われている。

東山ひがしに隣接する御歩町は、藩政時代の武士の住宅形式を現代に受け継いだ町並みだ。

主計町に隣接する新町は商人町、彦三と母衣町は武家町である。

これら以外にも古い町並みは残っていて、歩いているとあちこちで木造の町屋を目にする。低層建築が主なので空が広い。

この規模の都市にしては古い町並みがやたらと多いのは、第二次大戦時に空襲を受けなかったからだ。おかげで加賀百万石の城下町として栄えた面影を今に残している。

とはいえ新しい建築物ももちろんあり、江戸時代の木造建築に昭和の建築物が混在している。

木造の町屋が軒を連ねた藩政時代の町並みを見てみたかったものだ。

だが、この雑多な町並みが現代日本の特徴なのだろう。

一日市内を歩き回り最後の夜を満喫した後、もう一度ほろ酔い気分で夜の東茶屋街を訪れて、今回の金沢散策を終わりにした。

2024年2月