秋色の稜線 – 山伏 / 八紘嶺
うっとりするような秋の陽射し。
やわらかであたたかな晩秋の斜光が、木々も山も空気さえも、うっすらとオレンジ色に染めている。
秋の終わりの日の光に包まれて、山伏から八紘嶺までの穏やかな稜線を進む。
な ...
薙
雨乞岳の山頂から標高差で250mほど下ったところに、水晶ナギという場所があります。
花崗岩が風化した白ザレ砂の崩壊地特有の景観と、日向山や鋸岳など周囲の山々の展望もあり、なかなかよいところです。
登山道から外れて1 ...
祈りと雨乞い – 雨乞岳
人は、意志の力で雲を消すことができる、というと胡散臭く思われるかもしれません。
しかし、なんだか見られてるような気がして、あるいは何気なしに顔を上げたら、誰かがじっと自分を見てたって経験は、だれにもあるのではないかと思いま ...
鍋っこ遠足&山頂デザート @燧ヶ岳
この夏、S子先輩とM子先生の三人で訪れた会津駒ヶ岳では、いろいろと想定外の事態に襲われました。
まずは、なんといっても想定外だったのは、お花の名前を教えていただくために来ていただいたお二人が、図鑑として全く機能しなかったこ ...
九月の五日間 その5 – 光岳
光岳の山頂から10分ほど先へ進むと、光石という大岩がある。
旅の終着点は、その光石の上と決めてある。
山頂を越えて樹林帯を進んでいくと、しだいに周りの木々が薄くなり、やがて目の前に大きな岩が現れた。
あそこ ...
九月の五日間 その4 – 上河内岳 / 茶臼岳
南アルプス南部に、南岳という山がある。
山好きな人々でも、この山を知っている人は、それほど多くはないだろう。
かくいう自分も、全く注目していない山であった。
主要縦走路中にあるこのピークの標高は2702 ...
九月の五日間 その3 – 聖岳
三日目。
この日が、今回の縦走中で最も厳しい行程になる。
やり切るには、一にも二にも早出することだ。
早朝はなかなかシュラフから出られないのが常である。下界でも、目が覚めてから起き上がるまでに、いつもずいぶ ...
九月の五日間 その2 – 悪沢岳 / 赤石岳
二日目の朝。
漆黒の闇が、濃い紺色に変わり始めたころ出発。
小屋から少し登れば森林限界を超える。
雲海に浮かぶ富士の頂が見える。今日も天気は上々だ。
ひと登りすると目に飛び込んでくる南部の山並み ...
九月の五日間
ついに来た。とうとう来た。いや、ようやく来れた…かな。
ずっと憧れていた南アルプス南部の山々へ、ついにとうとう登るのだ。
東海地方で育った自分にとって、南アルプスというのは比較的身近な存在だった。
でも ...
緩やかに山に浸る – 曲岳 / 升形山 / 黒富士 / 太刀岡山
先週は長い距離を歩いたので、今週は重い荷物を担いで登ろう。
長い距離を歩くだけではなかなかつかない脚力も、重い荷物を背負って登ると有効に鍛えられます。それに、来週のテント泊縦走に備えて、重い荷物に体を慣らしておかなくちゃな ...