門前町のお土産 – 身延
身延駅から身延山久遠寺へ向かうと、最初に総門を潜ることになる。
立派な総門からさらに立派な三門までの1㎞ちょっとが久遠寺への参道である。
総門からしばらくは民家が多く、お店は疎らだ。
いわゆる参道っぽいのは、三門周辺の数百メートルくらいである。
食事処やお土産屋、宿坊が軒を連ねている。
さすが日蓮宗の総本山だけあって、参拝客も多く賑やかだ。
そういえば一日中全くお金を使っていないことに気づいた。
無料駐車場に車を停め、ロープウェイにも乗っていない。せっかくなのでほんの僅かばかりだが、お金を落としていこうとお店を見て回った。
なにか食べようと思ったが、夕方の遅い時間では食堂はどこも閉まっていた。お土産屋を覗いてみるが、扱っているのは数珠などの信徒グッズばかりだ。何軒か冷やかしたが、どこも似たような品揃えだった。
買うものないなあと眺めていると、身延山マーク(?)の入った湯呑みが目に付いた。同じデザインの茶碗やグラスもある。様々なサイズがあるが、通常の使用には明らかに小さ過ぎるものが多い。使うのではなく、お供え用なのだろうか。そういえば山中の祠にも、これと同じ容器でお供えがしてあったのを思い出した。まあ、とはいえ、家で使ってもバチは当たるまい。普通サイズのものもある。
グラスを選んでいると、お店のおばちゃんに声を掛けられた。どうやら、このグラスには水を入れるようだ。小さめのグラスで冷やの日本酒を飲むつもりなのだが、そんなことしちゃダメだと言われると困るので、なにに使うつもりかは黙っておいた。
おばちゃんは、横に立ちいろいろ話しかけてくれるが、ひどく訛ってるうえに、信徒共通の単語や話題が含まれていて、話の内容はよくわからず、曖昧な微笑みでごまかしておくしかなかった。
いくつかあるサイズの中から、クイっと飲むのにちょうど良い大きさのを選んだ。南無妙法蓮華経の文字が入ってるのはあんまりなので、身延山と書いてあるのにしておいた。
ひとつ550円。なかなかいい買い物をした。早く帰って、こいつで冷酒を飲もう。