どれだけ歩き続けたら、たどり着けるのだろう
北アルプスから帰ってきてから、なんだか気持ちが晴れない。なんというか、なんともやる気が出ない。
仕事のやる気はもともとないが、山に登る気にもならない。無理やり登ろうと思うも、近場の低山では気が進まない。近場の低山だって楽し ...
裏銀座の五日間 day3
空が青い。雲ひとつない。三俣蓮華岳の頂が紅色に染まっている。
縦走三日目にして最高の朝を迎えたようだ。
この日の北アルプスは、空一面の真っ赤な朝焼けと眼下に広がる雄大な雲海を堪能できた…というのは後から知った。 ...
裏銀座の五日間 day2
二日目の朝。どうも天気はよろしくない。日の出前の薄暗い空は、厚い雲に覆われているようだ。
双六岳へと登るにつれて、周囲が明るくなってきた。しかしガスガスなのには変わりない。槍が見えないのはもちろん、進む先もガスに消されてい ...
繋がる山々 – アサヨ峰 / 地蔵岳
北沢峠から仙水峠に登り、そこからはいつもと反対側へ向かう。みなの行き先は甲斐駒だから、こちらへ上がってくる人はいない。
栗沢山に着くと、北沢峠から直接登ってきた多くの登山者が休んでいた。昨年CMの撮影地になってから、急に人 ...
緑の湿原、流れる沢 – 入笠山
緑の湿原が、やさしい風にゆれていた。
あぁ、夏はこんな風景だったんだ。そういえば「入笠湿原」って大きな看板もあるもんな。
真冬の、雪の降り積もった見渡す限り真っ白な世界から、生命の蠢く緑の夏山へ。
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御嶽教の山 – 諏訪山
登山道わきの石碑の文字を何気なく見ると「武尊山十一面観世音菩薩」と読めました。
武尊山? あの武尊山のことでしょうか?
その先の掘っ立て小屋のような祠には「八海山堤頭羅吒神王堂」とありました。
八海 ...
秋色の稜線 – 山伏 / 八紘嶺
うっとりするような秋の陽射し。
やわらかであたたかな晩秋の斜光が、木々も山も空気さえも、うっすらとオレンジ色に染めている。
秋の終わりの日の光に包まれて、山伏から八紘嶺までの穏やかな稜線を進む。
な ...
九月の五日間 その4 – 上河内岳 / 茶臼岳
南アルプス南部に、南岳という山がある。
山好きな人々でも、この山を知っている人は、それほど多くはないだろう。
かくいう自分も、全く注目していない山であった。
主要縦走路中にあるこのピークの標高は2702 ...
心の扉を開いてみよう – 箱根駒ヶ岳 / 神山
海が見える!海が見える!海が見える!
なんて開放感のある山頂なんだろう。
富士山と愛鷹山の間には南アルプス南部の山々。
東は丹沢山塊。
雄大な弧を描く駿河湾。
キラキラ輝く海 ...
幸せの稜線 – 谷川岳馬蹄形
樹林帯の登りを抜けると目の前に広がる稜線。
ここから二日間、この先の稜線をぐるっと歩くのです。
反対側に見える谷川岳まで。
まずは白毛門から笠ヶ岳を越えて朝日岳へ。
空はどこまでも青く、 ...