御嶽教の山 – 諏訪山

登山道わきの石碑の文字を何気なく見ると「武尊山十一面観世音菩薩」と読めました。

武尊山? あの武尊山のことでしょうか?

その先の掘っ立て小屋のような祠には「八海山堤頭羅吒神王堂」とありました。

八海山? あの八海山でしょうか?

祠の引き戸をそっと開けると、中には簡素な祭壇が設えられていました。修行者の修行の場なのでしょう。

そういえば、登り始めてまもなくの石碑には「御嶽山…」とありました。

ここまでいくつかの祠や石碑を通り過ぎてきましたが、もっとちゃんと読んでおけばよかったな。

御嶽山、八海山、武尊山… 登山口のお堂は「三笠山普寛堂」でした。

御嶽山を開山した普寛上人が武尊山、八海山、秩父御嶽山とともに開いた霊山が、この諏訪山であり、御嶽山、八海山とともに重要な三神のひとつに数えられています。

登山道沿いの祠や石碑は丁寧に整備されていて、御嶽教の人々にとってはいまでも生きた聖地のようです。

修行のイメージとはかけ離れて穏やかな樹林帯の登山道を進んでいくと、やがて岩がちな修験の山へと変わっていきます。

岩のヤセ尾根を越えると、目の前に三笠山。

三笠山というのは、その先の諏訪山に行く手前のピークです。木々に囲まれた諏訪山とは異なり、独立峰の趣のある岩峰です。

山頂には祠があり、周りの山々を見渡しています。

三笠山から先へ、険しい山道を下り、樹林帯の登山道を登ると諏訪山です。

信仰がいまに息づく不思議な山でした。