静かな静かな山の秋 – 吾妻耶山
暖かく柔らかな日差しが、赤や黄に色づいた木々の葉を透かして降り注ぐ。空気は透明で空は青い。
大峰沼をぐるっと回り、大峰山を超えた。
だれもいない静かな山を、のんびり歩く。暑くもなく寒くもなく、時折り吹く風が心地 ...
登山の翌日にちょっとだけ山に登ってから帰宅する話 – 戸神山 / 高王山
平ヶ岳登山を終えての帰り道、すっかり遅くなってしまい、夜も更けてきた。疲れてきたしもう運転もしたくないので、ちょうど通りかかった道の駅で朝まで眠った。
翌朝、このまま帰っても午前中に家に着いてしまう。特に用事もないので、ど ...
寂しい秋の山の湿原 – 平ヶ岳
夜明け前から歩き始めて単調な尾根を登り、いくつかのピークを超えて池ノ岳まで来た。ここまで登ると、目の前には秋色の湿原が広がり、池塘は空の色を映して深い。
ここまで4時間半、思ったよりも早く着いた。日帰り最難関の百名山などと ...
僕らの選択 – 巻機山
ひとりで山を歩いていると時々思う、なぜ今この山を歩いているのだろうかと。
この山を歩くか、あの山を歩くかは選ばなければならない。二つの山を同時に歩くことはできない。人生は選択の連続だ。これまでに下した無数の選択の果てに今が ...
谷川主脈 in the rain – part2
ただ足元だけを見て黙々と歩き、登ったり下ったりをくり返して、いくつものピークを超えた。万太郎山に着いたのは午後1時30分、予定よりだいぶ遅れている。これでは平標までは行けそうにない。いや、行こうと思えば行けるが、まともな時間には到着で ...
谷川主脈 in the rain – part1
稜線に出ると、強い風が吹き付けた。雨は朝から降り続いている。
出発してすぐに降り始めた雨は、標高を上げるにつれて雨脚も強くなってきた。雨の流れる登山道を歩き、濡れて滑る岩場を登った。風景はガスの中だ。それでも上へ上へと進ん ...
新鮮な一日 – 苗場山
尾根上の小ピークを超えると、雄大な山容が姿を現した。
あれが苗場山だ。なんともなんともかっこいい。
穏やかで見晴らしのよい道を登っていく。
最後の急坂を上がると、広々とした湿原だった。実に広く平らで ...
山の春 – 平標山 / 仙ノ倉山
下界では連日の真夏日で、梅雨を飛ばして夏が来たかのような毎日ですが、お山の上ではようやく長い冬が終わり、春が訪れたところ。
世界を真っ白に覆っていた雪もすっかり解けて、白や黄色やピンクの花々が咲き乱れる賑やかな季節がこれか ...
夜明けの稜線美
東の空が燃えている。最高の一日になるのが約束された朝。
八ヶ月ぶりのテント泊は、ガスガス真っ白で始まりました。前日は小雨ぱらつく中で設営し、テントが飛んでくかと思うほどの夜中の強風にも耐えて、この朝焼けを迎えたのです。
幸せの稜線 – 谷川岳馬蹄形
樹林帯の登りを抜けると目の前に広がる稜線。
ここから二日間、この先の稜線をぐるっと歩くのです。
反対側に見える谷川岳まで。
まずは白毛門から笠ヶ岳を越えて朝日岳へ。
空はどこまでも青く、 ...