下山家M子先生 – 川苔山 / 鋸尾根
「ちょっと荷物持ってよ」
えっ、いきなりですか…。
バスを降りたM子先生の最初のひと言がこれでした。
お昼ご飯は用意するというので身軽に登るつもりだったのですが、運ぶのはわたくしの役目のようです。
This is it – 甲斐駒ヶ岳 / 仙丈ヶ岳
静かだ。テントもまだ三張りしかない。真夏の大混雑とはえらい違いだ。
仙流荘からのバスが北沢峠まで行く最後の週末。すでに広河原からのバスはない。小屋も一週間前に営業を終えている。この週末が、静かな南アルプスをお手軽に満喫でき ...
日蓮宗総本山身延山久遠寺
お寺の鐘がゴーンと鳴った。読経の声が静かに響く。
まもなく夜が明ける。
早朝の寺院には凛とした空気が張りつめていた。
日蓮宗総本山身延山久遠寺。
祈りの時刻にふらふら歩いてるのは、自分の ...
稲含山と稲含神社
下仁田町と甘楽町の境に聳える稲含山。
どっしりとした山容で、どちら側から見ても堂々とした目立つ山です。
地域では神聖な山なのでしょう。山中にも麓にも稲含神社があります。
この稲含神社、同じ名前の神社が複数あ ...
秋の北八ヶ岳 – 本沢温泉 / 天狗岳
「きれ~!!きれ~〜!!!」
次々と車窓を流れていく紅葉した木々に、助手席のM子先生が声を上げます。
「もうこれでじゅうぶん。もう登らなくてもいい」
いやいや、まだ登山口にも着いてませんよ…。
機械の道と獣の道 – 北岳 / 小太郎山
登山口から二時間ほど登り、御池のほとりにテントを設営したら、もうやることはなくなった。見上げる青空には北岳の頂が輝いている。
行くか、あそこまで。こんなに天気いいんだしな。
簡単な荷物と弁当だけ持って、八本歯の ...
雲の海に光る峰 – 有明山
重く立ち込めた灰色の雲がじわじわと薄くなり、やがて青空が透けて見えた。
ん? 突き抜けるかな?
ここまでずいぶん登ってきた。山頂までの標高差はもういくらもない。できることなら雲の上に広がる青空の下の頂に立ちたい ...
黒川鶏冠山の謎
飲み会の翌朝。なんだかまだ酔ってるような気分の中、ゆっくり起きて仕度して、珍しく高速を使ったら事故渋滞に巻き込まれ、登山口に着いたのは午前11時でした。
まあ、こんな時間からでもさらっと登れるからという理由で黒川鶏冠山にし ...
お腹いっぱいの山行 – 妙高山 / 火打山
なんだか体が重い。
足が上がらない。
前を歩くM子先生との距離が、どんどん開いていく。
早朝は青く晴れていた空も、いまではどんより曇っていて、気分も上がらない。
背中の荷物がやたらと重く ...
百名山の憂鬱 – 那須岳
なんとなくぶらっと那須まで来た。
なんとなくぶらっと適当に来たので、あまり早い時間の到着ではない。なので普段着のみなさんに紛れてロープウェイで上がる。
天気はどんより曇り空、紅葉にもまだちょっと早いにもかかわら ...