百名山の憂鬱 – 那須岳

なんとなくぶらっと那須まで来た。

なんとなくぶらっと適当に来たので、あまり早い時間の到着ではない。なので普段着のみなさんに紛れてロープウェイで上がる。

天気はどんより曇り空、紅葉にもまだちょっと早いにもかかわらず、たくさんの人が歩いていた。ロープウェイ駅から気楽に山頂まで行けるので、気楽に来てる人が多い。登山スタイルは少々浮き気味だ。

茶臼岳に向かって登っていると、目の前を歩いていたおじいさんが派手にすっ転んでしまった。

すぐに起き上がったが、すっかりハゲ上がった頭のてっぺんから血が流れている。幸い、意識はしっかりしているし、他にどこも痛めてないようだ。先を歩いていたご家族ももどって来たので、後は任せてその場を立ち去った。

しかしそれにしても、目の前で突然すっ転んで頭からだらだら血を流すとか、びっくりするから気をつけていただきたい。まあ自分も10メートルくらい滑落して、下にいた登山者の目の前に落ちてしまい、ひどく驚かせたことがあるので大きなことは言えないのだが。

茶臼岳からさらに朝日岳へ向かう。

火山特有の荒れた地形が続いている。以前に来たときも思ったが、ここはひどく整備されている。岩にステップを切って階段状になっていたりもする。いくらなんでもやり過ぎじゃないかとも思うが、先ほどのおじいさんみたいな人もいるから致し方ないのであろう。これも百名山の宿命だ。それにしても、深田久弥というのは罪深い男だ。

そういえば以前に来たときも、こんなどんより曇り空の日だった。どんよりばかりに当たるとは、那須岳との相性はあまりよろしくないようだ。

三本槍まで行くと下山が日没後になりそうなので、朝日岳から少し先のピークまで歩き、そこを最終地点として下山することにした。

またロープウェイ駅まで登るのはダルいので、歩いて下山する。ここからなら歩いてもロープウェイでも、時間も労力もほとんど変わらない。

こんなお手軽に、麓では見ることのできない火山地帯を歩けるんだから、人が多いのも致し方ないですね。