あか牛丼 – 熊本県 阿蘇市

正月早々登山口にもたどり着けず、すごすごと阿蘇の街までもどってきた。すでに昼を大きく回っている、どこかでなにか食べたい。そうは言っても元日から開いてる店もそうそうないだろうから、見つけた最初の店で食べることにしよう。そうして入ったのが赤牛丼の店だった。

14時近いにもかかわらず、駐車場はほぼ満車で、並んでる人もいる。店頭のメニューを見ると、一番安い赤牛丼で2,475円。赤牛丼って要は牛丼だろと思うとずいぶん高価な気もするが、他の店を探す気力もないので、しばらく並んで入店した。

赤牛というのは、四種類ある和牛の中の一種だ。国内の牛の飼育頭数を見ると和牛の98%は黒毛和牛で、赤牛は1.3%に過ぎない。これは和牛の中での割合なので、外国産牛や交雑牛を加えるとずっと少なくなるだろう。確かに黒毛和牛はよく聞くけど、赤牛を食べるのはもちろん見るのも初めてだ。

元日の来店者の多さに店員さんたちはパニック状態だったが、稀少な赤牛の丼は無事にやってきた。

赤牛肉のたたきと言えばいいのだろうか、レアに仕上げられた肉の薄切りが、丼飯の上に整然と並んでいる。赤牛の名の通りの真っ赤な牛肉だ。いや、ちょっと待て。赤牛は赤毛の牛だから赤牛なのであって、肉が赤いからではない。だが見ての通り、脂身の無いまさに赤い肉である。

味も見ての通り、とてもあさっさりしている。牛肉の匂いはしっかりあるものの、あっさりした赤身の味や柔らかな食感はあまり肉っぽくはなく、牛の香りのマグロかカツオを食べてるようだ。

これはこれで美味しいとは思うけど、脂身たっぷりの肉を好む身としては、少々さっぱりし過ぎのような気もする。

もしも年老いて肉の脂がキツいと感じるようになったら、牛肉はやっぱり赤牛だよねとなるのかもしれない。

2026年1月