この金峰山はどの金峰山?

登山を趣味としているなら「金峰山」といえば奥秩父のあの山、山頂に五丈岩のあるあの金峰山のことだと思うだろう。だが、全国の金峰山はあの金峰山だけではない。

奥秩父以外にもいくつかの金峰山があることは知っていても、それがどこにあるのかまで知っている登山者は少ない。他はどれも標高1000m以下で、わざわざ遠くまで登りに行くような山ではないのもあるだろう。

金峰山という山名の由来は、吉野の金峰山神社から蔵王権現を勧請したことによるので、登山の山というよりも信仰の山の側面が強い。熊本の金峰山もそんな金峰山だった。山全体が神社のようだ。登山口の鳥居から登って、1時間足らずで立派な社のある山頂に着いた。

登拝回数の掲示があり、中には1万回以上も登っている人がいた。毎日一回登っても、1万回登山には27年以上かかる。おそろしい…。

奥秩父の金峰山の読み方は通常「きんぷさん」だが、これは山梨側での呼び名であり、長野側では「きんぽうさん」だ。熊本の金峰山はどちらだろうと思ったら「Kinbo」という表示があった。「きんぼう」あるいは「きんぼ」だろうか。

「金峰山」以外に「金峯山」という表記の山もあり、文字も読み方もまちまちで統一されてない。それぞれの金峰山にそれぞれの名がある。

全国の金峰山あるいは金峯山を巡る旅もおもしろそうだな。

2024年12月