群馬のホルモンは最高でーす

群馬は養豚業が盛んだ。豚の飼育頭数は全国第4位である。当然ながら豚肉の消費量も多い。内陸県なので、やはり魚より肉なのだろうか。

豚肉生産量の多い前橋市では、ホルモン焼き屋が何軒もある。美味しいと評判の店はだいたい予約で満席だが、夕方早い時間なら食べさせてもらえることが多い。

初めて前橋でホルモン焼きを食べた時はひっくり返るほどに驚いた。これがホルモン焼きなら、今まで食べていたのはいったいなんだったのか。それくらい違ったのだ。驚くほど美味しく、なおかつ安い。

注文したものはどれも抜群に美味しかったが、特にレバーは角がピンと立って見るからに新鮮で、思わずお代わりしてしまったくらいだった。

ホルモンは鮮度が重要であり、新鮮なホルモンは生産地に近い場所でしか食べられないという。ホルモンを短期間で新鮮なままに流通させる経路が確立しているのだろう。

市内にはホルモン焼きの看板を掲げている店が多い。ホルモンだけでなく精肉類も取り扱っていても、あくまでもホルモン焼き屋なのだ。

上州牛に代表されるように肉牛の飼育も多いため牛のホルモンも流通しているが、豚肉好きの県民性のためかホルモン焼き屋では豚ホルモンがメインだ。豚しか置いてない店もある。

何軒かで食べたところ、普通に美味しいから驚くほど美味しいまで幅はあっまたものの、イマイチな店には当たらなかった。観光客相手ではなく地元民向けの店ばかりだから、イマイチな鮮度では生き残れないのだろう。

もつ煮定食、ホルモン焼きと並んで群馬県民の豚ホルモン好きを象徴するものがもうひとつ、肉屋やスーパーで販売している味付きの豚ホルモンだ。都内でも似たようなものは売っているが、群馬だと種類も多く量も圧巻だ。そして県民それぞれにこだわりの焼き方がある。

何人かの教えを総合すると、油で炒めるのはよくない、フライパンにアルミホイルを敷いてその上にホルモンを乗せ、蓋をして温める。ホルモンの脂が溶けて流れないよう開いてる側を上に向け、背中を下にして並べる。温め時間は、すでに火が通ってるのだから数秒という人から、数分まで幅があったが、長くやり過ぎないというのは共通していた。タレはなるべく切ってから温める。残ったタレは軽く煮詰めて後からかける、などこだわりポイントが多数あった。

教えられた通りに実践したところ、それまで油で炒めてたのとはまったく別物で素晴らしく美味しい仕上がりになった。

さすがホルモン好きの群馬県民だなと感心した。