もつ煮は群馬県民のソウルフードだ!!
「ソウルフード」というのはアメリカ南部の黒人料理を指し示す言葉であり、郷土料理やローカルフードのような意味で使うのは誤用である。それは知っている、知っているがあえて言いたい、もつ煮は群馬県民のソウルフードであると。
群馬では、とにかくどこにでももつ煮はある。もつ煮はまるで神の恩寵かのようにあまねく遍在している。定食屋はもちろんのこと、ラーメン屋にもうどん屋にもある。持ち帰り専門店もある。自動販売機でも売っている。
もつ煮を提供する店ではもつ煮がメインだ。たいていは店舗の看板に大きく書かれていたり、立て看板が出ていたりする。もつ煮以外にメニューがあっても、客のすべてがもつ煮を食べていたりもする。
東京でもつ煮といえば居酒屋のつまみだが、群馬ではご飯のおかずだ。量も多い。もつがちょろっとに大根やにんじんでカサ増しなんてケチなこともしない。どんぶりのような大きな器に、もつだけか混ぜてもわずかのこんにゃく程度である。ご飯は漫画日本昔ばなし盛りで出てくる。そしてごはん大盛りだけでなく、もつ煮の大盛りも可能だ。たっぷりのもつ煮で山盛りの白ごはんをエンドレスにかき込む快感に恍惚となる。
休日の昼間にもつ煮定食屋へ行くと、爺さん婆さん父さん母さん子供たちと三世代勢ぞろいでもつ煮定食を食べに来てる地元民を見かけることも多い。まさにゆりかごから墓場までもつ煮なのだ。
超有名店には開店前から長蛇の列ができてたりもするが、だいたいどこで食べてももつ煮は旨い。
もつ煮は、群馬では必食のソウルフードなのだ。