登山地図に載ってるメンチカツ

下仁田の周辺には西上州らしい奇岩の山がいくつもあります。なので、某登山地図には下仁田の町がすっぽり入っています。

その某登山地図を眺めていると、こんな表記が目に入りました。

メンチカツ!?

登山地図にわざわざ記載されているメンチカツです。赤字で書かれているということは、「360度の大展望」とか「下降注意」とか「トイレあり」とかと同じあつかいです。つまり、わざわざ登山者に知らせなければならない情報だということです。

これは、登山者であるなら行かねばなりません。

路地裏の堀口肉店は普通の肉屋さんでした。いまどきはこんな肉屋は少なくなりましたが、さすが下仁田はいまだに昭和です。

店内へ入り、メンチカツを注文します。1枚100円です。コロッケやハムカツもあり、こちらは80円です。もちろん注文します。他にも、トンカツやチキンカツや焼き鳥がありました。

一畳ほどの狭い店内にしつらえられたガタガタする椅子に座って、メンチカツが揚がるのを待ちます。

地元の人がポツリポツリと訪れます。メンチカツを何枚も買っていった赤ら顔のおじさんは、酒の肴にでもするのでしょうか。初めてのおつかいのような近所の少年は、直立不動で注文しています。腰の曲がったおばあさんの話す言葉は、耳をそばだてて聞いてもほとんどわかりません。

その間にも、店内では家族総出でメンチカツを揚げています。お父さんは配達、お母さんが揚げ物をし、中学生くらいの娘さんがお客とやりとりしています。

自分のメンチカツが揚がるまでの、素敵な時間でした。