耳うどん

いまでは合併して佐野市の一部だが、かつては安蘇郡葛生町であった仙波地区に伝わる正月料理が耳うどんだ。

うどんというかすいとんの一種で、耳の形をしている。どれくらい耳かというと、これはもう完全に耳にしか見えない。わざわざ耳形に作るのは、けっこうめんどくさそうだ。モチモチしていて、まるで餅のよう。具は正月らしく伊達巻や蒲鉾などである。

この形のおかげでツユがよくからむ。からむというか、耳のひだに溜まったツユとともに口に入れることになる。ツユは北関東特有の醤油が濃い甘塩っぱい味だった。