ひもかわ
ぴろぴろした麺が好きだ。いや、もちろん、もちもちした麺もやわやわした麺もごわごわした麺も好きだが、ぴろびろ麺に特別の郷愁を感じるのは、ぴろぴろ麺地域で育ったせいかもしれない。
群馬のひもかわを初めて食べたときは驚いた。薄く幅広の麺はつるつるすべすべで口触りが良く、啜るくちびるが気持ちいい。喉越し良くするする入っていく。これぞぴろぴろ麺の最高峰なのではと興奮した。
それからは群馬の山に登るたびに、あちこちのお店でひもかわを食べた。
巨大ワンタンの皮のような超幅広ひもかわや食べでのあるやや厚ひもかわもあったが、やはり薄くて喉越しの良いつるつるすべすべひもかわが最高だ。
ひもかわはひと口当たりの表面積が通常のうどんより少ないので、つけ汁よりもひもかわ自体に好みが左右されるのだろう。
つけ汁はさほど重要ではないと書いておきながらすぐにそれを否定するようだが、人気のあるカレー汁はこれはこれで良いとは思うものの、ひもかわのつるつるすべすべ感を邪魔して別の食べ物になってしまう気がするので、豚か鶏か鴨の和風のつけ汁が良いと思う。
天ぷらなんていらない。大盛りのひもかわをわしわしいただきたい。