2021年の南アルプス 〜 稜線編 その1/ 赤石岳
二日目の朝。天気は良いが、体は重い。昨日のダメージから快復していない。
森林限界を超えて登山気分は高まるものの、足取りの重さは相変わらずだ。
今回の山行計画は今日中に決定しなければならない。
A案:聖平までがんばる
B案:兎岳までにして、上河内岳は諦める。
C案:エアコン工事をキャンセルする
A案はやってやれないことはないが、つかれるしあまり楽しくはないかもしれない。B案はなんだか負けた気がする。C案だと、今年の夏は寝苦しい夜を過ごすことになる。
さて、どうしたものか。
とりあえず赤石岳だ。
早朝のスッキリ晴れた青空の下、赤石岳に到着した。やっぱりここは好きな山だ。南アルプスの盟主に相応しい威厳がある。
山頂でゆっくり時間を過ごしたいのだがそうもいかない。よくよく考えたら最初の縦走四日間の計画では、ここでたっぷり時間を使うつもりだったのになあと嘆きつつ、先へ進むことにした。
向かい側に聖岳の厳つい山容が見えている。ぐるっと回ってあそこまで登り、さらにその先へ下るのだ。そう思うと、先は長い。長過ぎるくらい長い。
百間平まで下って振り返ると、そこには赤石岳の美しい姿があった。以前に来たときはガスが出てしまって見れなかった景色だ。
あぁ、なんだかとても良い気分だ。満喫してるなぁ。
せかせか歩くのがバカらしくなってきた。うん。そうだ。せっかくの四連休なんだから、四日間楽しもう。エアコンなんてどうでもいい。途中で出会った雷鳥調査のお兄さんも、それは電話して四日にする一択でしょ!って言ってたしな。
エアコン業者に連絡して、工事日を変更してもらおうとしたが、携帯電話は圏外だった。
つづく