ゆるキャン△ in 劔沢&雷鳥沢 – その1
最高!すばらしい!エクセレント!
室堂の駅を出ると、思わずそう叫びたくなる景色が目の前に広がっていた。ひとりだし、周りにたくさんの人がいるから黙ってたけど。
天気予報は悪くなかったが、到着するまでは半信半疑だった。夜半に雨の降った扇沢は、朝になっても濃い霧に包まれていた。曇天の黒部ダムをとぼとぼ歩いた。ロープウェイは視界ゼロの雲の中を上っていったが、高度を上げていくと雲海の上に出た。そこで勝利を確信した。
最高の4日間が待っている。
ウキウキ気分で軽快に歩く。ザックは重いが、心は軽やかである。
雷鳥沢の幕営地は通過して、雷鳥沢を登る。右手には立山、左手には奥大日岳、そして乗越まで登ると姿を現わす剱岳。
これこれ、これだよ。青空の下でこの景色を眺める幸せよ。
劔沢を見下ろすが、まだテントはパラパラとしか張られていない。慌てる必要はない、ゆっくり行こう。こんな素晴らしい日なのだから。
劔沢へ降りずに、別山への稜線を歩いていく。荒涼とした風景がまた美しい。
空気が澄んで透明だ。
南峰を通って北峰まで行った。ここからは剱岳が真正面だ。後立山もよく見えている。
山頂の端っこに座って、ずいぶん長い間、周囲の風景を眺めていた。いつまでもここにいたかったが、ガスも上がってきたことだし、そろそろ下ろう。
劔沢には激しい風が吹いていて、苦労しながらテントを張った。
剱岳はガスで隠れてしまったので、午後はテントの中で休んでいたが、夕方には再びあの惚れ惚れする山容を見せてくれた。
明日はあそこへ登るのだ。
つづく