栃木百名山四連登 初日の夜と二日目の朝 – 松倉山 / 鷲子山
さっさと登山を切り上げて宇都宮までもどって来たのは、行きたい居酒屋があったからだ。『庄司』というその居酒屋には何度か訪れたことがあるのだが、毎回満席で入れなかった。今回は早めの到着だから大丈夫だろうとたかを括って来たものの、開店10分後ですでにほぼ満席だった。
ひとつだけ空いていたカウンター席になんとか滑り込むことができた。

もうずいぶん昔のことになるが、吉田類の番組でこの店のことを知った。その時は「へえ、吉田類って都内だけじゃなくて地方でも呑み歩いてるんだ〜」と思ったのでずっと印象に残っていたのだ。
店内の張り紙を見ると、吉田類だけではなく井之頭五郎も来たようだ。そっちは見てないので、帰宅したら見てみよう。
吉田類と井之頭五郎と、あと太田和彦もこの店を訪れている。この三人が来た店なら悪かろうはずがない。
調子良く酒が進んだ。

翌日、栃木百名山四連登の二日目は、宇都宮の東の茨城県との県境を攻める。この辺りに登山で来る人はほとんどいないだろう。それこそ栃木百名山狙いの登山者だけだ。なにせ聞いたこともない上に、ショボそうな低山ばかりなのだから。
まずは松倉山へ登る。
集落を抜けて登山口へ向かう。参道コースと林道コースに分かれていたので、参道コースを行くことにした。

参道というからには山の上に社でもあるのだろうが、参道らしさは全く無くてただの登山道だ。それもあまり歩かれてなさそうな、薄暗くて気味の悪い登山道である。

少し登ると平坦な場所に出た。林道を車で登ってくると、ここが駐車場になるのだろう。
駐車場からすぐのところに立派な社があった。

ここは山頂ではないようなので、さらに登る。といっても、たいして登らない。登山口から1時間もかからずに山頂だった。標高はたったの345mしかない。
まあ、予想通りの山頂だ。

下山は林道を歩いてみた。車で走れなくもなさそうだが、麓から歩いてもたいしたことはないのだから、この道を運転するのはやめておいたほうが良さそうだ。
トータル1時間50分で登山終了。集落から登山口まで徒歩10分なので往復で20分、あと山頂に10分いたので、登山としては1時間20分だった。

最後に鷲子山に向かって移動する。国道沿いの大きな案内看板で右折して林道を登っていく。
登山口に近づくと、ここまでの山とはまったく雰囲気が違っていた。駐車場は満車で、茶屋があり幟がはためき出店も出ている。人出は多いが、明らかに登山者ではない。
なんじゃこりゃ?と思ったが、どうやら鷲子山は有名な神社でもあるようだ。少し離れた大駐車場に空きを見つけて、賑やかな方へと歩いていく。

どうやらこの神社はフクロウ推しのようだ。フクロウは不苦労に通じるということらしい。お金があれば不苦労だということで金運が上がる神社だという。なんとも現世利益的な信仰だが、そのおかげで繁盛している。
参道の手前に日本一の大フクロウへ昇る階段があった。階段手前の看板には、宝くじに当たった参拝者が行ったことが書かれている。現世利益万歳だ。

日本一の大フクロウは金色だった。侘び寂びにうるさい日本の神社としてはなかなか振り切れている。
金のフクロウは金の柱に支えられている。この柱を笑顔で叩くと金運が上がるらしい。なんともバカバカしい。言う方もやる方もどっちもどっちだ。もちろん私も叩いておいた。

鷲子山は栃木と茨城の県境の山で、鷲子山上神社の参道も県境にある。石段を登ると本殿があった。

本殿が山頂ではなく、もう少し奥に行くと山頂らしい。少し進むとすぐに山頂だった。なにせ山頂の標高は463mだが駐車場の標高は433m、標高差たったの30mだ。
神社入口(もはや登山口とは言い難い)からここまで、寄り道せずに歩いてきたら5分もかからないだろう。

地形図を見ていて気がついたのだが、参道や本殿は県境にあるのに山頂は完全に茨城県側に入っている。これが栃木百名山でいいのだろうか。
まあ、細かいことは気にしなくていいのだろう。

帰りは石段ではなく、福ふくろうロードを通って福ふくろう園を歩いた。もうまったくの観光地だ。高尾山もびっくりというか、高尾山が立派な山の気がしてくる。

多種多様なフクロウのオブジェがやたらたくさんあり、干支ふくろうやら九星ふくろうやら、なんだかんだ言って、思わずじっくり見てしまう。
ゆっくり歩いてあちこち寄り道したのだが、登り15分、下り25分の合計40分の「登山」だった。

これはこれでおもしろかった。どの山もそれぞれにおもしろかった。登山口と駐車場所の他は何も情報を得ずに出かけるので、毎度予想外の事態に出くわす。
予想外の事態に出くわすから、無名の低山歩きはおもしろい。
2025年11月





