丹後ちりめんの里 – 与謝野町加悦

落ち着いた趣のある町並みだ。

切妻平入り二階建ての町家が街道沿いに軒を連ねている。よく見ると、磨りガラスや窓枠など一軒一軒に異なる意匠が施されていて、眺めて飽きない。立派なお屋敷もあるにはあるが、町並みの大半は風情のある町家が占めている。

加悦の絹織物産業は室町時代にはすでに盛んだったという。

江戸時代には西陣からちりめんの技術が伝えられて発展し、明治から昭和にかけて町は大いに隆盛した。

それにしても静かだ。最盛期はずいぶん賑やかだったというが、いまではひっそりとしている。

町行く人もまばらで、観光客の姿も見ない。人であふれる出石の後に訪れたので、落差が大きかった。

こんな町家を手に入れて自分好みに手を加え、誰にも知られず一人で暮らしたい願望もあるけど、そうしたらそうしたですぐに飽きてどこかへ行きたくなってしまうのかなとも思う。

2025年5月