ヒレカツのソースカツ丼
東京近郊にはソースカツ丼地域が多い。群馬、栃木、山梨が東京を包囲し、その外側には長野、福島という両巨頭が控えている。これらは登山でよく訪れる地域でもあるので、いきおいソースカツ丼を口にする機会も増える。
ソースカツ丼なんてどこで食べても同じと思うかもしれないが、意外と地域性がある。桐生はヒレカツだ。ロースのカツ丼や卵とじカツ丼もあるにははあるらしいが、スタンダードなのはヒレカツのソースカツ丼である。
どの店もご飯に四つのヒレカツがデフォルトだ。カツの数はお好みで増量もできる。ご飯を大盛りにしてカツを二つ追加が、いつもの山帰りのお決まりである。
ヒレカツソースカツ丼にはロースとは違った上品さがある。旨味甘味ひかえめで、ほどよく和風テイストのソースもヒレカツによく合っている。
子供の頃も上京してからもカツ丼といえば卵とじが普通だったので、初めてソースカツ丼を食べたときはなんだか損した気分になった。それがいまではすっかりソースカツ丼好きだ。卵とじのカツ丼はめったに食べることはない。
これからも登山の帰りにどこかの町の食堂でソースカツ丼を食べることになるのだろう。