板鼻宿のタルタルカツ丼

板鼻宿は日本橋から数えて14番目の中山道の宿場町である。

旧道沿いに宿場の面影を僅かに残すばかりの、ひっそりと静まり返った小さな町だが、往時は上州最大規模の宿場だった。今では大都会の高崎宿よりも大きな町だったのだ。

この板鼻宿の板鼻館では、タルタルカツ丼なるものが提供されている。

板鼻館という名称から想像されるように、かつては旅籠であったが、明治期に食堂へ鞍替えしたのだという。

注文すると、スライスしたゆで卵にタルタルソースを添えた小鉢が提供される。これをセルフで混ぜて、カツ丼を待つのだ。

揚げたてのカツを醤油ベースの甘辛いタレに潜らせたカツがご飯の上にのっている。北関東ではポピュラーなタイプのカツ丼だ。これに先ほどのタルタルソースをかけていただく。

もしも板鼻宿が江戸時代と変わらぬ賑わいをみせていたら、真似する店舗が続出して、町の名物となっていたのであろう。

そうはならず、眠ったような静かな町で、それほど世間に広まることもなく今に続いている。