静かな山の深い旅 – 鳥甲山

青空の下で緑の稜線が輝いている。

前後左右まったく人の気配がない。駐車場には他に二台の車が停まっていたが、だいぶ先に出発したようで顔を合わせることはなかった。後から登ってくる人もいない。

快晴の三連休で、人気の山は大混雑のようだけど、みんなが大挙して押し寄せる山は決まっている。それを避ければ静かな山歩きができる。

人が少ないからといって、つまらない山だなんてことはない。この鳥甲山だって日本二百名山だ。むしろ人が少ないからこそ、より深く山を楽しめると言ってもいい。

小さなピークを次々と超えていく。岩場も痩せ尾根もそれほど危険ではなく、サラッと通過した。

草津の山並みが見えている。ポコっと出ているのが白根山かな。すぐ向かいは苗場山だ。

いつもと違う眺めが新鮮。

分岐から山頂へ。

鳥甲山の山頂は、笹っぽいマニアックな山頂だった。

山頂分岐からさらにら先へ。登ってきたのとは反対側へ向かう。ピストンのほうが簡単だけど、どうせなら違う道を歩きたいから。車の回収は、あとで舗装路を歩いてもどればよし。

赤嵓ノ頭を超えて先へ。少しガスが上がってきた。

あとは樹林帯の急坂を一気に下って終了。

舗装路をとぼとぼ歩いていると、地元の爺さんの軽トラが止まってくれた。いいからとにかく乗ってけという。歩くのは苦にならないが、せっかくだから乗せてもらう。歩けば2時間近くかかりそうだし。

じいさんはこれから舞茸を探しにいくそうだ。天然物の舞茸の美味しさを熱く語り、しかし、なかなか見つからないのだと寂しそうに呟く。

「うまい人はすぐに見つけるんだけどな…」

15分くらいでムジナ平の駐車場に着いた。

サンキュー&グッドラックじいさん!