地味山には地味山にしかない良さがある – 熊倉山

歩き始めからけっこうな急登だった。うっかりすると転げ落ちそうな斜面の登山道をジグザグに登っていく。

峠まで車で上がり、あとはちょっと登るだけかと思っていたが、なかなかに手強い。

それにしても地味だ。植林された杉林の後は落葉樹の森、お決まりのパターンだ。

展望はほぼ無い。ごく稀に、葉を落とした木々の間から冴えない街並みが見えるが、冬でなければ展望ゼロだろう。

山頂も地味だった。ちょっとしたスペースの奥にある岩に山名板が設てあった。周囲は木々に囲まれている。

熊倉山といえば、それなりに名前の知られている山だろう。有名山というわけではないが、奥多摩あたりをホームにしていれば名前くらいは聞いたことがあるはずだ。それなのにこの地味さ、いいじゃないか。

地味山には地味山にしかない良さがある。

酉谷山まで行ってみたいが、今回は日帰りでピストンだ。ここまでで下山する。

帰りは少々遠回りして沢沿いを下った。尾根道よりは変化があるとはいえ、やはり地味な沢だった。

2022年1月