山の彼方に日が沈む

夕暮れは美しい。そして切ない。

一日が無事に終わった安堵感と、まもなく今日が終わってしまう寂しさと、刻一刻と移ろいゆく空の色と。

遠くのお山に沈む夕日を眺めて過ごした子供の頃。

あの山の向こうに行ってみたいって、いつも思っていた。

きっとだれもが、そんな心の中の風景を持ってるんだろう。

大人になり、世界中のいろんな場所で沈む夕日を眺めてきたけど、記憶の夕暮れはいつだって色濃く輝いていた。

赤城山からの帰り道。向こうのお山は榛名山。

ここに住んでる人たちは、毎日この景色を見てるんだな。

この地に育つ子供たちの心の風景を胸に刻み、自分の場所へと家路に就いた。