海に近い山の集落 – 花沢

渓流沿いの、狭くて細長いわずかの土地に花沢集落はある。

三方を山に囲まれて山深く見えるが海岸線はすぐそこで、焼津市内から車で10分ほどの距離だ。

海に近いのに、山の中の隠された集落のよう。

花沢は、後により海沿いを通るようになった東海道の、古のルートでもあったという。

黒塗りの板張りの立派な長屋門が、渓流に沿って並んでいた。

これだけ立派な門構えのお屋敷が連なっているのだから、近世か近代のどこかで現金収入が大幅アップする何かがあったのだろう。

当時の賑わいは鳴りを潜めたひっそりとした集落だったのが、数年前に重要伝統的建造物群保存地域に指定されたからか観光開発もされつつあり、町から近く大きな駐車場もあって、訪れる人は多いようだった。