宮城温泉 出会いの湯

幹線道路から外れて山道を登って行く。道はしだいに細くなり、ほんとにこれでいいのだろうかと不安になる。細い山道をうねうねと進み、そろそろ引き返したほうがいいのではと思い始めたころ、山間に小さな一軒家が見えた。

あれだ…。

茅葺屋根を覆ったトタンに大きな温泉マークが描いてある。あのマークがなければ、あそこが温泉だとは気づかなかっただろう。

この温泉の名は「宮城温泉 出会いの湯」、大分県竹田市の山深い地にある。

下山後の汗を流そうと温泉を探し、カーナビに従って運転してきたら、こんな辺鄙な土地に到着してしまった。

あまり広くない湯には先客が数人いた。みなさん地元で、みなさんお知り合いのようだ。駐車場にずらっと停まっていた地元ナンバーの軽トラに混じって他県ナンバーの乗用車もあったが、それもどうやら帰省中の地元出身の方だったよう。

なにを話しているのだろう。みなさんの会話がほとんど理解できない。

完全アウェイの温泉だった。