八甲田山、死の行軍

おかしい、こんなはずじゃない。ぜんぜん登れない。なんだか最近こんなんばっかりだ。

夏休み東北遠征二座目は八甲田山に来た。昨年にも登ろうとしたが、熊出没で立入禁止になっていたため、今回がリベンジになる。しかし酢ヶ湯温泉からの登りで、すでにバテバテだ。

暑さのせいだけではないだろう。体力の低下、体重増加、もしかしたら老化もあるかもしれない。それに加えて無理な予定がたたっている。長距離移動→泥酔→登山→長距離移動→泥酔→登山をくり返すのは厳しいお年頃なのかもしれない。

もうほんと何十人もの登山者に抜かされて、ようやく仙人岱まで登ってきた。冷たい水で喉を潤す。

ここまで登ってようやく、八甲田の名前の由来となった、峰々と湿原の景色を臨むことができる。

しばらくは平坦でホッとするのもつかのま、その後は大岳への登りが待っている。

朝方のぐずついた天気はすっかり晴れて、青空が広がっているが心は晴れない。なにせ登れなさすぎるのだ。つらい、暑い、キツい、死の行軍だ。

CTを大幅にオーバーして大岳に到着した。ここが八甲田山の最高地点になる。

疲れすぎて余裕もないが、それでもここが那須岳から連なる奥羽山脈の北の端だと思うと感慨深い。奥羽山脈をずーっと歩いて陸奥湾へと至る縦走なんてやってみたいが、実現することはないだろう。なにせ途中に道のない区間も多いし、いったい何日かかるのかわからない。

反時計回りに周回なので北側へ降りた。ほんとは北八甲田の峰々にも登って下山する予定だったが、もうそんな余裕はない。最短距離の平坦な木道を行く。

それでも下山が長く、もう十分歩いたよ、さっさと終わりにしてくれよと願いながら、ふらふらになって下山した。

なんだか消化不良だったな。でもまあ、いちおう最高峰にだけは登ったんだからよしとしようか。

2025年8月