こみせの町並み – 黒石

弘前藩から分地された黒石は、後に藩となり弘前藩の支藩となる。人口が少なかったため、ねぶたや盆踊りといった行事を盛大に開催して近隣の農民を藩内へ集める政策を取った。そのため経済が発展して商家町としての性格を強くしていく。

こみせとは、家屋の一階部分のひさしを長く張り出して柱で支えた屋根付きの通路のことであり、新潟県の雁木と同様のものである。黒石の商業中心地に設置されていて、通行する人々が雨風や雪、夏の日差しを避けられるように設けられたアーケード街なのである。

こみせ通りの全長は600mほどと短く、途切れてる部分もあるが、豪商の屋敷や造り酒屋といった立派な建物が残っていた。

こみせの屋根は低く通路は狭く、民家の出入り口も小さくて、当時の人々は現代と比べてずいぶん小柄だったのだなと実感した。

2024年8月