通行止めとバリエーション – 鳩ノ巣城山 / 御岳山
着いた。ここが鳩ノ巣城山か。駅から1時間半もかからなかった。
取付きを間違えたので最初こそ道なき道を進んだが、ルートに復帰してからは安定したトレイルだった。現在の登山地図には掲載されてないが、かつてはハイキングコースだったのだろう。昔の看板がいまでも残っていた。登山道も比較的しっかりしていた。
御岳山には様々なルートで登っているが、今回はこの城山尾根で登る。といってもバリエーションなのは城山の少し先までで、そこからは一般ルートに合流する。大楢峠まで行けば、あとは何度も歩いた道だ。
そうして大楢峠まで行くと、その先は通行止めになっていた。おいおい、ここまで歩かせて通行止めかよ…。
越沢林道も通行止めだったが、こちらは途中で工事しているための通行止めで、あちこちに掲示があった。大楢峠と御岳山の間の通行止め表示を見るのはここが初めてだ。その理由は、途中で崩落の恐れがあるためだそう…それくらいなら大丈夫だろう。とりあえず行けるとこまで行って、どうにも通行困難なほど崩落の恐れがあるのなら、そこで引き返してこよう。
通行止め区間でやらかしたら言い訳ができない。緊張して歩き始めたが、実にしっかりとした登山道が続いていて拍子抜けした。ここまでのルートの方がよっぽど歩きづらかった。
崩落の危険があるとされた場所は、御岳に到着する直前にあった。そこで沢を10mほど横断するのだが、上部が崩落して崩れてくる危険があるとのことであった。沢の上の方を眺めて見る。特にすぐどうこうあるような気はしない。大雨でも振っていればまだしも、今日は快晴だ。もしも歩いてるあいだに崩落しても、小さな沢なので向こう側に逃げられるだろう。そもそも沢なんていつ崩れるかわからないのだし、それこそ自己責任の範囲内だ。最近やたらとこんな通行止めが多い。責任逃れをしておかなきゃいけないのはよくわかるが、あまりに頻発してるので通行止めの信頼性が低下している。
特に危険もなく沢を横断して、御岳の集落に入った。
学生時代から何度も登っている御岳山だが、今回初めて本殿の裏手に回れることを知った。
本殿の裏には、いくつかの社とともに山頂標柱もあった。突き当たりは遥拝所になっていて、奥の院を望むことができる。いままでずっと神社に参拝して下山していたので、今回が初登頂ということになるのだろうか。
山頂から下り、土産物屋街をぶらぶらしてたら、いつも通りに駒鳥売店のおばさまに客引されたので、ふらふらと入ってしまった。
ひさしぶりに御岳に来たら、現代的な蕎麦屋ができていたり、ピザを売っていたり、御師メシなんて始めてる宿坊があったりとなんだか地味に観光開発されていたが、ここは昔のままだった。いつものとろろ蕎麦ではなく、たまには天ぷら蕎麦にしてみたら、天ぷらがまさかの海老だった。この海老はどこからやってきたのだろう。
下山は大塚山から鉄五郎新道を下った。登山地図には記載はないけど、比較的しっかりした道である。
順調に下っていき、麓に近づいたところで左に逸れる道があった。このまま鉄五郎新道を進むと古里駅の方へ向かってしまい、大きく迂回して鳩ノ巣へもどることになる。しかし、ここで左に曲がれば一直線に最短距離で鳩ノ巣だ。途中で徒渉が必要になるが、そこさへ越えればあとはなんとかなるだろう。方角を再確認して左へ曲がった。
苔の生えた腐りかけの橋がかかっていたので徒渉の必要はなかった。ラッキーと橋を渡ったら、その先の道は消滅していた。山が崩れて道が埋まっている。
さて、どうしよう。ここまで来て引き返すのはめんどうだ。崩れた斜面を強引に直登していけば、いずれは一般ルートに出られるはずだが、さすがにちょっとこれは登れない。しかたないので、トラバースしながら登れそうな箇所を探す。伐採が入ってるから、どこかからは行けるはずだ。
だいぶ水平に歩いてから登れそうな沢を詰め、尾根に乗り、にっちもさっちも行かなくならないことを願いながら進んだ。ようやく一般ルートに出たときは、ちょっとホッとした。
今回はあまり褒められた山行ではなかったかもしれない。まあ、こんなインターネットの片隅で見る人もほとんどいないブログなので叩かれることもないだろうけど、良い子はマネしちゃいけませんね。
2020年12月