日蓮宗総本山身延山久遠寺
お寺の鐘がゴーンと鳴った。読経の声が静かに響く。
まもなく夜が明ける。
早朝の寺院には凛とした空気が張りつめていた。
日蓮宗総本山身延山久遠寺。
祈りの時刻にふらふら歩いてるのは、自分の ...
機械の道と獣の道 – 北岳 / 小太郎山
登山口から二時間ほど登り、御池のほとりにテントを設営したら、もうやることはなくなった。見上げる青空には北岳の頂が輝いている。
行くか、あそこまで。こんなに天気いいんだしな。
簡単な荷物と弁当だけ持って、八本歯の ...
黒川鶏冠山の謎
飲み会の翌朝。なんだかまだ酔ってるような気分の中、ゆっくり起きて仕度して、珍しく高速を使ったら事故渋滞に巻き込まれ、登山口に着いたのは午前11時でした。
まあ、こんな時間からでもさらっと登れるからという理由で黒川鶏冠山にし ...
雨と肉と低山 – 九鬼山 / 御前山
「ドラえもんと同じだから」
何度もそう聞かされてたので覚えてましたとも、K女史の誕生日を。
で、今年はドラえもん(とK女史)の誕生日が土曜日だったので、いっしょに山へ行くことになってたのですが、あいにくその日は ...
山蛭戦記 2016 – 高ドッキョウ / 貫ヶ岳
足首にチクっと刺す軽い刺激。
針の先で軽く触れたかのような、気づくか気づかないか程度の微かな痛みだ。しかし、この感覚には覚えがある。過敏にもなっている。
まさか…。きたか…。
登山靴に指を突っ込み確 ...
瑞牆山で観光登山
土曜が仕事になって週末の休みが一日しかないし、来週は北アルプス縦走を控えているしで、今週の山は軽く瑞牆山にしておき、下山後は適当に周辺を観光するって計画をご提案いたしました。
「えー、瑞牆山ってけっこう険しい山でしょ? 登 ...
想いの詰まった南アルプスの稜線 – 白峰南嶺
午前3時。
夜が明けるまで、まだ2時間近くあるが、もぞもぞと起き出してテントから顔を出し、西の空に目をやる。
黒々とした山脈と、その上に広がる少しだけ色の薄くなった黒い空。その境目に、稜線はくっきりと山の形を縁 ...
愛と悲しみの甲斐駒ヶ岳
「えー、わたしに登れるかな〜?」
先週の会津駒で積年の恨みを晴らしたK女史の、新K女史としての最初の山は甲斐駒ヶ岳と決まりました。駒ヶ岳つながり…というわけではなく、天気予報の都合でです。
「甲斐駒なんて登れる ...
聖地の空気 – 七面山
なんみょーほーれんげーきょーー
ドン!ドドン!ドドドドン!
なんみょーほーれんげーきょーー
ドン!ドドン!ドドドドン!
なんみょーほーれんげーきょーー
早朝の澄んだ青空の下、お題目が響き渡る ...
登山は想像力、そして行動力 – 鋸岳
ついにここまで来た。
中ノ川乗越の向こうに見えるのが鋸岳第二高点だ。
急なガレ沢が岩山の上へと続いている。
あれ、登れるのか?
ここまでもそれほど楽ではなかったが、ここから先はもっと楽ではな ...