奥秩父の深い森 – 笠取山 / 唐松尾山 / 西御殿岩

鬱蒼とした森の中。

深い霧が立ち込めて、濃い緑と白い霧の二色の世界。

笠取山までは完ぺきに整備された公園のような登山道でしたが、笠取山頂を過ぎると周囲の様子がガラッと変わりました。

枝を払い倒木を跨ぎ、浮石や泥の斜面に足を取られ、時折り隠れている凍結箇所に滑りそうになりながら進みます。

歩きにくいけど、これがいい。自然の中を歩いてるなって感じるから。

こんな天気の悪い日には他に登ってくる人もなく、たったひとりで黙々と歩く。

自分の心と対話しながら。周りの自然と対話しながら。

唐松尾山の山頂は、木々の茂った展望のない山頂でした。

奥秩父の山らしい深い森に包まれた山頂。

その先で主脈縦走路を離れて、西御殿岩にも登ります。岩と名付けられてるけど、稜線上のピークです。

尖った先端の岩の上に立ち、周りをぐるっと見渡しました。

真っ白でなにも見えないけど、天気がよければきっとすごい風景が広がってるはず。

目の前には富士山、その向こうに南アルプス、背後には西上州や上越の山々、足元に広がる奥秩父の山並み。

そんな、まだ見ぬ風景を想像するだけで、心が軽やかになりました。

空が真っ青に晴れて、空気が透明に澄んでる日に、また来よう。

2014年5月

奥秩父

Posted by azuwasa