群馬県境トレイルいったりきたり – 稲包山 / 三国山
三国峠まで上がったころにはまだ空に明るさがあったが、稜線を進むうちに灰色の雲が厚く広がっていた。
これは降るかもな、そう思った途端に、空から雨が落ちてきた。
三国峠から稲包山へ向かって歩いている。
まるで雲の中を歩いているようで、視界は数メートル先までしかない。ただ足下のトレイルに沿って稜線上を進む。風もあり、体はすっかり冷えてしまった。下界は猛暑だが、雨の山は寒い。
このまま雨の一日かと、黙々と歩いていると、空に明るさが戻り、雲が薄れてきた。
切れろ切れろと念じながら歩を進める。
雲の上に頭を現した稲包山は、まだあんなに歩くのかよ〜と思うほど遠かった。
この稜線は群馬県境トレイルの一部になる。稜線の左側が群馬で右側が新潟だ。
稲包山からずっと歩いていくと白砂山に至る。白砂山の先は、渋峠を経て四阿山だ。
今回は日帰りなので稲包山で折り返す。
三国峠までもどって、今度は三国山へ登る。
今年は各地でニッコウキスゲが大当たりのようだが、ここ三国山でもオレンジ色の大きな花が咲き誇っていた。といっても鹿の食害が酷いようで、囲の中だけではあるが。
1970年代から1980年代に撮影された山の写真と比較すると、どこの山も見るも無惨な現状である。昔は山一面に広がっていたお花畑が、いまや鹿避けネットに囲まれた狭いスペースである。
群馬県境トレイルは、三国山から平標山、そして谷川主脈から馬蹄形と続く。主脈と馬蹄形は歩いてるので、大源太山まで行けばトレイルが繋がるが、雨に打たれて寒いし、疲れたし、天気もいまいちなので、ここまでにしておく。いつでも辞められるのがソロ登山の良いところだ。
それにしても、細切れに歩いてしまった群馬県境トレイル、主要な山にはだいたい登ったし、全線が繋がる日は来るのだろうか…。
2022年7月