西上州のマイナー山 – 大桁山 / 鍬柄岳

うーん、地味…。

山頂には木製のベンチが四つ並んでいた。いつからあるのか、最後に人が座ってからどれくらいの時が経つのか、よくわからないようなベンチだ。

山頂からの展望もあまりない。かつてはそれなりに見晴らしが良かったようだが、伸び放題の木々が視界を遮っている。

この大桁山は、これでもいちおう”ぐんま百名山”なのだが、名前も聞かないし登ったという話も聞かない。人気のない山だ。この日もここまで誰にも会っていないし、この先も誰にも会わなかった。登山口から山頂までは、林道→階段→登山道といった感じで、西上州にしては珍しく危険なところもない。誰でも気軽に歩けそうな道だったにもかかわらずだ。

さて、今日一日の山行を、この大桁山だけで終わりにするのはあんまりなので、となりの鍬柄岳まで行ってみることにする。登山地図にも地形図にも登山道の記載は無いが、鍬柄岳へ向かう分岐が途中にあった。具体的には、登山口から続く未舗装林道が終わり、最初の階段を登った左側だ。登山口から山頂までずっと、道も目印もしっかりしていたので、この分岐の表示も信じていいと判断した。

大桁山の山頂から分岐までもどり、鍬柄岳へ向かう道へと入った。

ヤブっぽいところもあるが、踏み跡はしっかりしている。多少わかりづらくもあったが大きく迷うようなこともなく、一般ルートと合流して岩峰の基部にたどり着いた。この岩を登っていくと鍬柄岳の山頂だ。

取付きから、けっこう垂直だった。手がかり足がかりはあるしクサリも付いてるので難しいことはないが、登りは良いとして下りはちょっと怖いかもしれない。まあ、手を離さなければ大丈夫だ。

登っていくと視界が開けた。なかなか高度感がある。とても標高598mの山とは思えない。

ナイフリッジ的な岩稜を進んでいくと山頂に着いた。山頂には祠があった。この山も信仰の対象なのだ。麓にも神社があったが、そちらも大切にされているようだった。

山頂からは、四ツ又山に鹿岳に荒船山と、西上州の奇岩の山々が見渡せた。

登る人がほとんどいないから情報も少なく、画像も出回っていないので、西上州のマイナー山に登るのは、とても新鮮な気持ちになれる。