雨降る尾根と雨の谷戸 – 天竺山 / 唐松山 / 横沢入

急激に空模様が悪くなってきた。

朝起きたら雨もやんで太陽も出ていたので、ちょっとだけでもいいから歩きに行こうと武蔵五日市まで来た。駅から天竺山に登り、さらに先へと進んで尾根道を歩いているとき、ふと気づくと早朝の青空は、いまにも降り出しそうな重たい灰色に変わっていた。

これは降られるな…。そう思ったとたんに大粒の雨が降ってきた。高く茂った木々の葉を揺らして落ちてきた雨が全身を濡らす。

どこにも逃げ場がない。エスケープすることもできない。現在地点は、周回ルート上のゴールから最も遠い場所だ。このまま歩くしかないだろう。まあ、気温は高いから体が冷えることはない。

着古して撥水力のなくなっているレインウェアを気休めに着た。

唐松山は尾根上の平坦地でまったくピーク感がなかった。一度通り過ぎてしまい、大雨の降る中、少しもどって山頂を確認した。

唐松山を過ぎて横沢北尾根から横沢入へと下山した。

雨なのか汗なのか、レインウェアの下はびっしょり濡れている。

里山に囲まれたちょっとした平坦地を開墾した横沢入は、地元の有志によって田んぼが保全されている。季節になると蛍も舞うらしい。

雨はようやく小降りになった。あとは天竺山に登り返して五日市へもどるだけだ。

まもなく雨も止むだろう。雨が止んだら、日が差して暑くなるだろう。

2020年7月