歩くよりも3倍速い赤い彗星号、川へ行く – 浅間岳 / 大澄山

自粛とやらで山には行き辛く、さりとて空は最高に晴れている。こんな日に家にいても気持ちがふさぐばかりなので、ぶらっと出かけることにした。

歩くよりも3倍速い赤い彗星号をひさしぶりに持ち出して、多摩川を遡っていく。

空は青く、空気は爽やかだ。

川を眺めたり、朝ごはん食べたりしながら、のんびり走る。

朝早くから、かなりの人が河川敷に出ていた。みんなぜんぜん自粛なんてしていない。まあ、散歩だからいいのかな。こんな良い陽気なのだもの、外へ出たいよね。

羽村取水堰まで走り、歩くよりも3倍速い赤い彗星号を川沿いに停めた。ここから羽村丘陵へ登る。

3時間以上も自転車で走った後なので足が重い。地元の爺さまたちに引き離されていく。自粛だなんだと言ったって、登ってる人は多かった。

20分も登れば浅間岳の山頂だ。

山頂では、地元の爺さまたちがソーシャルディスタンスを意識しつつ、大声で談笑されていた。やはりみんな、毎日家に閉じこもってるのは退屈なのだな。

ここから羽村丘陵を縦走する。縦走といってもそんな大げさなものではなく、ちょっと丘を先まで歩くだけだ。

しばらく山道を歩き、車道に出ると見慣れた風景だった。このあたりの主要な道路は何度も何度も車で走っている。山を抜けて見覚えのある場所に出るというのは、なんだかちょっと不思議な気分だった。

車道を横切り再び山道に入り、大澄山に登ってから草花神社へ下山した。

ひと駅分を歩いたので、川沿いを歩いてもどり、歩くよりも3倍速い赤い彗星号を取りにいった。

帰りの多摩川河川敷は、早朝よりさらに多くの人々で賑わっていた。肉を焼いたりビールを飲んだり。子供は走り回り、大人は語らう。テントもいくつか張られていた。いいね、みんな思い思いに楽しんでる。

さまざまに不平不満はあるだろう。でも、できないことを嘆いていても不幸になるばかりだ。目の前の楽しみを楽しんだほうがいい。

歩くよりも3倍速い赤い彗星号を木陰に停めて芝生に寝転び、コンビニで買ってきたお昼ごはんを食べた。こんどはテントも持ってこよう。

2020年4月