外秩父七峰縦走大会 2015 〜 中編

第5チェックポイントの大霧山に着いたのは、ちょうど12時でした。昨年の11時55分より5分遅れて到着ではないですか。

なんということでしょう!!

スタートダッシュで稼いだ5分を吐き出してしまい、さらに5分遅れています。

どうやら前半からぶっ飛ばす作戦は失敗したようです。

登山は旅。人生も旅。旅とは新しい発見の連続。

新しい発見はチャレンジからしか生まれません。

難しいことに挑むだけがチャレンジではないと思います。歩いたことのない道を歩いてみる、曲がったことのない角を曲がってみる、登ったことのない頂に立ってみる、知らない人と話してみる、入ったことのない店に入ってみる、食べたことないものを食べてみる、いままでにないハイペースで歩いてみる。

行為の内容に優劣はありません。

なんらかの、些細な動機によってチャレンジして得た新しい体験こそが旅なのですから。

結果も関係ありません。失敗しても成功してもいいのです。結果ではなく過程こそが旅なのだから。失敗すればまた新たな旅を始めるだけだし、成功してもそこからまた新たな旅が始まるだけなのですから。

チャレンジのない旅は、旅ではなく散歩ですね。

さて、ひとつの旅が終わり、また新たな旅が始まります。5分の遅れを取り戻し、できる限りプラスしてゴールするという新しい旅が。

大霧山まで24キロ歩いてきました。残りは16キロ。ここからは下り基調です。とはいえ、まだあと二つのピークを越えなければなりません。この先は舗装路も多く、最後は延々8キロも続きます。

昨年はここから大きくペースダウンしました。

なぜそうなったかは、わかっています。あの時はわかってなかったけど、いまはわかっています。

登り基調の大霧山までがヤマ場で、ここを越えればゴールが見えると思っていたのが、この先のペースダウンの原因でした。大霧山を越えるまでがヤマ場なのは間違ってませんが、大霧山はゴールではないのです。そのことを無意識の底で理解していなかったのが、ペースダウンの原因なのでした。

しっかり対策も考えてきました。それは…

「大霧山の山頂で気合を入れ直す!!」

完ぺきです。なんやかんや言っても、大切なのは精神力。

あとは、それを証明するだけ。

静かに闘魂注入して大霧山を下ります。