冬桜と秋晴れの山 – 城峯山

集落を抜けて舗装路を歩いていく。

もう終わってるだろうと予想してた冬桜は、わずかの花を残していた。

大雨を降らせた台風19号の影響で、集落から先はどの道も車両通行止めになっていた。

崩壊した舗装路を徒歩で進む。

ずいぶんと舗装路を歩き、最後は少しだけ山道を登ると城峯山の山頂に着いた。

山頂を占める大きな電波塔は、中段が展望台になっていた。埼玉と群馬の県境近くのこの山からは、過去に登ったいくつもの山が見渡せる。

どこから見てもそれとわかるギザギザの両神山。堂々とした山容の東御荷鉾山と西御荷鉾山。深い山に囲まれた集落は、秩父の半納だろうか。行ってみたいと思いつつ、まだ訪れたことのない場所だ。

空は青空、雲ひとつない。有名な山でなくても、山はいいものだ。

山頂からやや下った城峯神社には狼信仰と将門伝説が伝わっている。

ここも同じ文化圏なんだな。

のんびりと来た道を引き返す。早朝は寒々しかった集落も、日の光が差して暖かだった。

咲き残りの冬桜にも日が当たり、ゴージャスに輝いていた。