藤野15名山 – 中編&後編

中央線南側の7山は、どうやって回るか悩みます。うまく一周回れないので、行ったり来たりで距離が長めになってしまいます。それぞれの山が独立しているので、ひとつ登って下山、舗装路歩いて次の山へ登りまた下山、そして次の山へ、という進み方になってしまいます。

一日で歩けない距離ではないのですが、電車スタートで夕方までに観光案内所という時間制限があるとちょっと苦しいです。がんばればギリ間に合いそうですが、やまなみ温泉へ下山するのだから、下山したらさっぱりしておきたいところです。そうすると入浴時間も確保しておかなくてはなりません。

前回は藤野駅から電車で高尾まで行き、乗り換えて高尾山口で温泉に入るというめんどくささでした。めんどくさいだけならまだしも、汗びっしょりの電車移動は周りのお客さまのご迷惑になります…。車で行って早出する手もありますが、やはりここはせっかくなので、アフター登山も楽しみたいです。

そこで、南部は二回に分けることにしました。これなら余裕だし、寝坊しても大丈夫です。

まずは、石老山、石砂山、峰山に登っておきます。この三山とも登ってますが、山頂自撮りのために登り直しです。

藤野15名山の山頂には、藤野15名山の標識があります。他にもいくつか山頂標識があり、必ずしも藤野15名山のでなくてもいいだろうとは思いますが、いちおう藤野のを探して自撮りします。いいおじさんが自撮り棒を持ってなにしてるんだろうという気もしますが、気にしないことにしておきます。

石老山は真夏でも多少は登山者がいましたが、自撮りおじさんのことはみなさん見て見ないふりでした…。

この藤野15名山の標識、よく見ると藤野町15名山と記されています。藤野がまだ相模原市緑区などでなく、津久井郡藤野町であったころの名残です。というか緑区は広過ぎます。半分は山梨県でもいいくらいです。

石老山から下山し、次は石砂山へ登ります。ある意味ここが、夏の藤野15名山で最も登りたくない山かもしれません。

数年前の夏、雨上がりで湿度の高い日、何気無しに登って山ビルまみれになった記憶がよみがえります。今回は準備万端、霧吹きに塩水入れて持ってきました。これで戦います。

北側の登山道にも山ビルが密集してるとこはありますが、山頂の南側が特別ひどいです。伏馬田城跡へ近づくと、一歩進むと数匹が上がってきたりします。霧吹きの塩水を噴射しますが、やつらは悶絶するばかりでなかなかくたばりません。塩をケチったせいでしょうか。もっと濃くしなければいけないようです。

何十匹もの山ビルと格闘し、舗装路へ下山しました。次は峰山です。こちらも石砂山ほどではありませんが、山ビルの山です。

ポツポツ降り出した雨が、山頂に着く頃には本降りになってきました。もう立ち止まらず、一気に下ります。山ビルと格闘してるヒマはありません。

下山後に靴を脱いで点検すると、五匹の山ビルに侵入されていました。

峰山から下山すれば、やまなみ温泉はすぐそこです。念入りに山ビルチェックしたのでそれは大丈夫なのですが、雨に打たれてずぶ濡れです。濡れて腐ったポロ雑巾のような姿で温泉に行くと、受付のおばさまがたが引いてました…。

残りは、名倉金剛山、京塚山、日連金剛山、鉢岡山の4山。いずれも駅の近くの低山です。

最後は天気のとても良い、つまりひどく暑い日になりました。まちがいなく灼熱地獄が約束されています。

とりあえず駅から山に向かって舗装路を歩き、それっぽいところから山道へ入ります。歩いてる人もなく、鬱蒼とした樹林帯は熱と湿気でもわもわしています。

京極山、名倉金剛山、日連金剛山と登っては降り登っては降りを繰り返していきます。このあたりの山はやや放置気味のようで、登山道は若干荒れてました。何ヶ所かある展望所はどこも鬱蒼とした森に飲み込まれています。山腹のアート作品は、近くまで行ってみると、ほぼ朽ち果てていました。

灼熱で頭がくらくらしてきます。日連金剛山から下山した時は、もうやめにして温泉に行きたかったですが、あとひとつなので気力で登ります。

藤野15名山ラストは鉢岡山。山頂は携帯の基地局だかなんだかに占領されてました。最後の最後がなんとも微妙な山頂でした…。

下山し、ふらふらになりながら温泉までの舗装路を歩き、汗を流してからバスに乗って、駅前の観光案内所へ。残り4つのスタンプを押してもらい、この暑いのにね〜と言われつつ、完登賞のバッジをいただきました。

藤野15名山、夏はおすすめしにくいですが、東京から近く電車で来れますし、区切れば短い時間でも登れますし、行き先のない週末の候補としてもよろしいのではないでしょうか。