金沢重伝建散策 第一日目 – 寺町台 / にし茶屋街

石川県の県庁所在地で人口45万人の大都市にもかかわらず、金沢市内には4箇所の重要伝統的建造物群保存地区があり、中心部には兼六園という広大な庭園もある。古い町並みの残る都市だ。十数年前に金沢を訪れた際にひと通り見て回ったが、駆け足だったため印象の薄い地区もある。今回は時間もあるのでじっくり歩いてみた。

最初に向かったのは寺町台。ここが最も前回訪問時の記憶が薄い。

今回訪れて初めて知ったのは、ここは二つの街道の合流する交通の要衝で、両方の街道沿いに寺院の密集する寺町が形成されている。

鶴来街道は旧道の趣を残しているが、野田街道は片側二車線の県道に拡幅されていて、交通量の多い道の両側に大寺院が並んでいた。

寺町台のすぐ近くには西茶屋街がある。ここは伝建地区ではないが、かつての茶屋街だ。

東茶屋街と卯辰山麓もそうだが、茶屋街と寺町が隣接している。伊勢神宮と古市遊郭も同様だ。かつては、信仰と遊興が等しく娯楽であった。

冷たい雨が降り続いている。寒さに負けて、初日の散策はここまでにした。

2024年2月